褥瘡のドレッシング材を交換する時期(状態)は?
- 公開日: 2015/6/27
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褥瘡のドレッシング材を交換する時期(状態)は?
滲出液の量・状態が目安になります。
ドレッシング材の交換時期を判断する場合、まずは見た目で検討していきます。
ハイドロコロイドの半透明なものは、ゲル化した部位が白く膨潤してきます。辺縁1.5cmまで滲出液が吸収されてきたら交換するとよいとされています。また、ポリウレタンフォームも、表面に滲出液が染み出してくるのでわかりやすいでしょう。
いずれも漏れ出す前に交換するのがよいとされています。漏れ出している場合、吸収量が適さないドレッシング材であったか、または貼ってから日数を置き過ぎたかなど、検討が必要となります2)。漏れ出した場合は、創周囲皮膚も浸軟を起こす恐れがあります。創や滲出液の量を観察してアセスメントしていく必要があります。
ドレッシング材を貼付して2~3日目を交換の目安とし、その後は吸収量や創の状態の評価により、3日間より長い貼付が可能かを判断します。ドレッシング材やフィルム材は、最大1週間までの貼付になっています(図1)。
図1 ドレッシング材からはみ出した滲出液(創部はドレッシング材の中央)
ドレッシング材を貼付したら、日付を記入していきましょう。誰がみても貼付した日や経過日数を確認することができることは、創部の観察、アセスメントには重要となります(図2)。
交換時には、ドレッシング材に付着した滲出液の性状を観察することも大切です。滲出液がドロッとした膿のような状態や緑色の変色があり、さらに悪臭がある場合、緑膿菌感染が疑われます(色調、粘稠度、臭い)。
毎回同じドレッシング材をルーチンで選択するのではなく、滲出液の性状や臭い、量の増減など、ドレッシング材が創部の変化に合っているかを確認していくことも大切です。判断に迷う場合には、医師や皮膚・排泄ケア認定看護師に相談するようにしましょう。
参考文献
1)日本褥瘡学会 編:在宅褥瘡予防・治療ガイドブック(第2版),照林社,2012.
(『ナース専科マガジン』2015年7月号から改変利用)
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