第17回 脊髄損傷3週間後に急な呼吸苦を訴えた患者さん
- 公開日: 2015/8/17
今回の事例
[T.Oさん から提供された事例]
脊髄損傷の患者さんが受傷後3週間ごろに、急な呼吸苦の訴えがありました。そのときのSpO2は80台後半となっていました。元々医師より「SpO2は95%をキープ、酸素は3Lまで」という指示が出ていました。
→このようなとき、どう対応する?
今回は呼吸苦とSpO2の低下が見られる患者さんについて、みなさんにアセスメントしてもらいました。どのような行動をするのかを見ていきましょう。
まずは、患者さんに呼吸苦とSpO2が80台後半になったとき、あなたが行うと思うことを選んでもらいました。回答者数は420人。複数回答可となっています。
山内先生の解説を先に読みたい方はこちら
■山内先生の解説
みんなの回答
患者さんに呼吸苦が出現し、SpO2が80%台後半になったとき、あなたが行うと思うことをすべて選んでください
上記のような結果となりました。では、その他を選んだ人はどんなことを行うのか見ていきましょう。
●体位の確認、起座位にする。(オッケさん)
●呼吸状態。麻痺の観察。(デラックスさん)
●モニター装着。(アソパソマソさん)
●気道閉塞の有無の確認、安楽体位の保持。(anjuさん)
●用手的胸部圧迫による排痰介助。(みほみほこさん)
●体位がきついかもしれないので体位を工夫する。(さといも。さん)
次はそのピックアップしたことをどの順番で行うか、またなぜその順番で行うかの理由も聞きました。
上記でピックアップしたことをどの順番で行うか、なぜその順番なのか?
●応援を呼ぶ、バイタルサインの確認、主治医に報告、酸素投与、吸引
→主治医を呼びに行くにしろ、バイタルサインを確認するにしろ、物を取りに行ったり、電話のあるところまでいかないとならない。その間、患者を一人放置することになるので、そのあと急変した場合対応できないので、まずは人を呼ぶ。
主治医に報告する場合、何を報告したらいいのか、状態を把握していないと分からない。ケースバイケースだが、先にバイタルサインの確認をしたうえで主治医に報告する(状況がせっぱつまっているときは別)。医療行為は医師の指示がないと基本はできないことになっているので、医師の診察の後酸素投与。ただ、その前に応援に来てくれた人に頼んで、酸素の準備はしてもらっておくことは必須。吸引は最後にもってきたけれど、バイタルサイン・全身状態の確認をして、気道に何かありそうな場合は、吸引はもっと前の優先順位になる。(すももさん)
●応援を呼ぶ、酸素投与、バイタルサインの確認、主治医を呼ぶ
→まず、迅速評価で異常な状態と判断し応援要請。その間にABCを確認し、可能であれば酸素投与し、バイタルサインを確認。アセスメントした上で、医師にISBARC報告。(ちゃとらんさん)