【書籍紹介】認知症本人やその家族介護者の思いを知って、看護に役立てよう
- 公開日: 2017/2/9
認知症本人やその家族介護者の思いを知って、看護に役立てよう
この本は、ディペックス・ジャパンが運営するウェブサイト「健康と病いの語りデータベース」に収録されている中から厳選された200の語りを紹介しています。
ディペックス・ジャパン(DIPEx-Japan)とは、英国オックスフォード大学で作られているDIPExをモデルに、日本版の「健康と病いの語り」のデータベースを構築し、それを社会資源として活用していくことを目的として作られた特定非営利活動法人(NPO法人)です。
第一部は「認知症本人と家族介護者の語り」、第二部は「認知症本人と家族介護者の語りを医療・介護に生かすために」の二部構成となっています。
第一部は認知症になるとは、その家族介護者になるとはどういうことなのかを、認知症本人とその家族介護者へのインタビューや当事者の語りを通して書かれています。
各語りには、QRコードがついており、そこにアクセスすることで、患者さん・家族の語りが動画や音声で聞くことができます。
第二部は多くの語りによって構成された第一部を解説する形式になっています。
看護師として、認知症によって生じる症状や反応に対して介入していく際に、認知症の患者さんや家族の思いは大切です。症状の受け止め方だけでなく、現在の生活、社会とのかかわり、周囲のサポートなどさまざまな部分に対して感じる思いは十人十色です。
その個別的な思いを知ることで、看護師として患者さんや家族の強みを活かしながら、本人たちが納得して生活することができるように見守り、支援していくことができるのではないででしょうか。
本書を読むことで、患者さんや家族が抱えている思いは一律のものではなく、さまざまな形があると気づくきっかけになるのではないかと思います。
編:認定NPO法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン
発行:日本看護協会出版会
本体価格:2,400円(税抜)
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