【動画で学ぶ!】手術部位感染(SSI)対策について知ろう【PR】
- 公開日: 2020/1/8
手術部位感染(SSI)とは
周術期の感染症は、術野感染(手術部位感染症)と術野外感染の2つに分けられます。
手術部位感染(Surgical site infection:SSI)とは、CDCのガイドラインでは手術後30日以内に手術操作の直接及ぶ部位に発生する感染と定義されています1)。
切開創の皮膚と皮下組織のみに感染が及んでいるものを表層切開創SSI、筋膜・筋層に及んでいるものを深部切開創SSI、手術操作を加えた臓器や腹腔・胸腔などに感染が及んでいるものを臓器/体腔SSIと分類します。
SSIに関するガイドラインはCDCや日本外科感染症学会、日本手術医学会、APSIC(Asia Pacific Society Infection Control)などで作成されており、診断基準も記載されています。
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SSIのリスク因子
SSIのリスク因子は、修正不可能なものと可能なものに分類されます。またそれらは、周術期および術中のリスク因子と、術後のリスク因子にも分類されます2)。
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SSI防止対策
SSI対策で重要なのは、“バンドルアプローチ”であることは言うまでもありません。どういったものが対策となるのかを知っておきましょう。
SSI防止対策は大きく3つに分けることができます。
1 手術中に汚染が起こりにくいように術前準備をする
感染症治療、除毛、入浴、入院期間、腸管前処置などが挙げられます。
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2 手術中の術野の汚染を防ぐ(減少させる)
手術時手洗い、手術室環境、術前皮膚消毒、インサイズドレープ、手袋交換、二重手袋、ドレーン、皮下洗浄、創閉鎖法、創被覆材などが挙げられます。
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3 多少の汚染があっても、SSIが発症しないように、患者さんの抵抗力を高める
予防的抗菌薬の投与、体温管理、栄養管理、免疫強化栄養、血糖コントロール、周術期高濃度酸素投与などが挙げられます。
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院内教育
感染対策は、院内で徹底することが大切です。そのためには、院内教育が欠かせません。ただ、マニュアルを作るだけでなく、なぜ、必要なのかを周知していくことも大切です。
【院内教育に役立つ動画】
NTT東日本関東病院 副院長・外科部長 針原 康 先生による 手術部位感染対策シリーズ
(1)SSIガイドラインとサーベイランス
(2)術野を汚染させない対策
(3)患者の抵抗力を高める対策
動画はこちらから
レジュメもダウンロードできます。
【引用文献】
1)Centers for Disease Control and Prevention (CDC):Guideline for the Prevention of Surgical Site Infection,2017.
2)Asia Pacific Society Infection Control(APSIC):手術部位感染予防のためのAPSIC ガイドライン, 2018.