第16回 巻き爪④~コットンパッキングと前に巻いた巻き爪のケア
- 公開日: 2019/12/26
前回までは、巻き爪のケア実践と症例を紹介しました。
今回はよくご質問をいただいてセミナーで演習しているコットンパッキンの方法と
前に巻いた巻き爪について詳しく紹介したいと思います。
コットンパッキング
ここでご紹介するコットンパッキングはあくまでも看護ケアとして行うもので、治療としてでなく一時的に疼痛を軽減するものとしてとらえてください。
準備物品
1.専用のコットンテープ、もしくは不織布(ウエットティシューのようなさばけないもの)幅5mmぐらい、長さ1.5cmぐらい
2.なるべく薄いゾンデ(ストローゾンデ、先をつぶしたつまようじでも可)
方法
1.コットンを入れる部位を少し湿らせておく(足浴、お湯湿布、消毒剤など)
2.できるだけ入れる部位の角質などを掃除しておく
3.ストローゾンデの切り口を長めに切り、爪の外側から少しづつ溝に沿わせ巻いた爪の下に入れる
4.ストローゾンデを前後にやさしく動かし、爪と皮膚の間に少しすき間を作る
5.ストローゾンデを抜く
6.コットンテープを、食い込んだ爪と皮膚の境目に縦半分の中心を置く
7.ゾンデ等で爪の下に輪になったところをすべりこませる
8.食い込んだ爪の下にコットンテープが入るように滑り込ませる
イラスト原案:ten
POINT
側面のはみ出た部分は押し込み、先端の出た部分は取り出すために置いておきます。
応急ケアですから感染源にならないよう1日以内には取り変えるかはずして下さい。
前に巻いた巻き爪
爪の長さは機能的に指の長さがよいといわれますが、ケアできないと伸びてしまいます。弱い爪は折れてしまったり靴や衣服に引っかかって削れてしまったりしますが、時々、靴の先端などで刺激を受け指に沿って、前側に巻いてしまいます。
どれぐらいの期間でそうなったのか不明なことも多くあります。
前に巻いた爪は横に巻いた爪のように皮膚と癒着している部分は少ないため、容易に切ることができます。
写真のように皮膚とくっついているように見えても元々指先の皮膚は表皮なので爪とはつながっていません。
薄いゾンデなどでやさしく持ち上げるとすぐに分離します。
*指先を湿らせておけばより、安全にできます。
白く色が変わったところは皮膚とつながっていないので容易に切ることができます。あとはやすりで整えておけば十分です。
長い間、爪に圧迫されていた皮膚はへこんでいますが数日で元に戻ります。
前に巻いて爪が伸びているということは靴が合っていないことが多いのでその調整も忘れずに!
患者さんが困っていること、少しずつできることからやってみましょう。