新型コロナウイルス感染拡大で通院に不安大きく
- 公開日: 2020/6/23
『血糖トレンド委員会』(代表世話人:東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授 西村理明 以下、当委員会)は、新型コロナウイルス感染拡大が生活習慣病患者さんにどのような影響を与えたか調査を行い、その結果と分析内容を発表しました。
主な調査結果
本調査は、生活習慣病患者309名(内訳:高血圧103名、2型糖尿病103名、高脂血症103名)を対象に、2020年6月8日~9日にかけてオンラインにて実施したものです。主な調査結果は次の通りです。
【主な調査結果】
・定期的な通院を必要とする生活習慣病患者さんの20.4%がコロナ感染予防を理由に通院を自粛。患者さんの44.9%は今後の通院も未だに不安
・外出自粛で変わった生活習慣。58.6%の患者さんが体調管理への意識が向上
・生活習慣病患者さんの49.8%が自己管理ツールに関心。60代でも7%がツールを利用、49%が関心あり
分析内容
1.必要な通院も感染予防のため自粛
生活習慣病で定期的な通院が必要であるにもかかわらず、新型コロナウイルスの感染流行後に2割の患者さんが通院を自粛していたことがわかりました。8割が新型コロナの感染予防を、3割が自主的な外出自粛を理由と回答し、通院に対す不安が伺えます。
今後の通院についても、病院や薬局での新型コロナウイルスへの感染を理由に、約5割の患者さんが不安を感じていることがわかりました。新型コロナウイルス感染の重症化リスクとして糖尿病などが指摘されていることもあり、患者さんの不安が続いている現状が明らかになりました。
「オンライン診療」については、関心を示す患者さんが7割みられたものの、実際に受けてみたいと思うと回答したのは3割でした。オンライン診療でクリニックと同程度の診察が受けられるのかが不安要因になっている可能性が考えられます。
2.体調管理への意識が向上
体調管理に関する調査では、約6割の患者さんが普段以上に体調管理を意識したと回答していました。生活習慣病を抱える患者さんは、食事や運動などの体調管理を求められますが、新型コロナウイルス感染拡大によって、その意識はさらに高まっていたようです。
3.自己管理ツールに高い関心
スマートウォッチやスマートフォンのアプリといった、自己管理をサポートするツールについては、5割の患者さんが関心があると回答し、自己管理への意識の高さが伺えました。60才以上であっても、すでに自己管理ツールを利用しているという回答もあり、今後は年代を問わず活用されていく可能性があります。
<調査概要>
・調査名:新型コロナ流行による生活習慣病患者への影響に関する調査
・調査期間:2020年06月08日(月)~2020年06月09日(火)
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:生活習慣病患者 309名(内訳:高血圧 103名、2型糖尿病103名、高脂血症 103名)
・実施期間:株式会社マクロミル
血糖トレンド委員会とは
血糖トレンド委員会は、血糖コントロールの重要性、および「血糖トレンド」の概念とその活用方法について、医学的、学術的および患者さん視点で分かりやすく正確な情報発信を行うこと目的とした委員会です。医師と患者さんが構成メンバーとなり、血糖トレンドや血糖コントロールに関する正しい情報を、糖尿病患者さん及び糖尿病予備群の方などに向けて、患者さん視点で分かりやすく発信していきます。
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