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【連載】がん患者さんの皮膚障害とケア

第3回 細胞障害性抗がん薬・分子標的薬によって起こる皮膚障害のケア【PR】

  • 公開日: 2020/8/11
  • 更新日: 2020/8/4
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  • # がんの副作用ケア

がんの薬物療法では、副作用としてさまざまな皮膚障害が起こります。
第3回は、細胞障害性抗がん薬と分子標的薬の副作用として起こる皮膚障害について解説します。

細胞障害性抗がん薬

細胞障害性抗がん薬で起こる皮膚障害

 細胞障害性抗がん薬は、がん細胞の分裂や増殖を抑える殺細胞性の抗がん薬で、がん細胞以外の正常な細胞にもダメージを与えてしまうことにより、副作用が生じます。皮膚科領域では脱毛、爪甲剝離、皮膚の色素沈着、口内炎などの粘膜障害が起こります。脱毛は抜けてしまってそのまま生えない場合や、化学療法後に生えた毛髪が元の髪質と異なる場合もあります。

 色素沈着はブレオマイシンや大腸がんに用いるオキサリプラチンなどで強くみられ、露出している部分、手の爪の周りや関節部分に多く、手のひらや足の裏にはまだらに色がつきます。真皮に色がつくような、日焼けとは異なる色のつき方をしており、いったんついてしまうと戻りにくいのも特徴です。

図1 爪甲剥離と色素沈着
爪甲剥離

皮膚障害のケアと看護師の役割

 皮膚障害の予防は、やはり保清・保湿になります。色素沈着には、日焼けをしないよう帽子や日焼け止めを用います。脱毛については、化学療法中に頭を冷やす方法が認可されています。手にアイスグローブを着けるのと同じような機序で、抗がん薬投与中、冷やすことにより、毛髪へのダメージを減らします。血液のがんでは使えませんが、乳がんなどでタキサン系抗がん薬の脱毛を抑える際に行われています。

 発症後は感染しやすくなっていますので、「きれいに泡で洗いましょう」と指導します。洗浄剤は泡立てネットできちんと泡立ててから、あるいは泡で出てくるタイプのものを用います。爪甲剝離では爪の下にものが溜まって感染が起こることが多いのですが、勢いよく洗うと爪が浮くのが怖くて洗わない患者さんもいます。感染すると余計に爪が外れやすくなることを伝え、きちんと洗うよう指導します。

 脱毛後でも頭皮はシャンプーを使用してしっかりと洗います。脱毛しているからといって、ボディソープで洗うと乾燥してしまいます。シャンプー以外であれば、洗顔フォームのように脱脂成分が多くないもの、無香料のもの、身体も顔も洗える泡のソープなどを用いるようにします。

 髪の毛がある段階ではシャンプーを用いますが、コンディショナーは身体に残ってしまうため、使わないようにします。髪のごわごわ感には、洗い流さないオイル成分のものを毛先だけに少し付けて対応します。髪が抜けるのが怖くて洗わない患者さんもいますが、皮脂も詰まりますから、指の腹で柔らかく洗う指導をします。

 爪甲剝離は、浮腫んで爪の下が赤い初期の段階で副腎皮質ステロイド外用薬を用いると、炎症や浮腫が治まり、爪が剥がれずにすむ場合があるため、早めに皮膚科を受診するようにします。爪が取れてしまったら、皮膚に当たっただけで痛いですから、ガーゼなどで保護します。絆創膏では再感染する恐れがあるため、清潔に洗った後、風通りのよい素材で巻き、固定します。自着性の包帯などを用いると、患者さんひとりでも簡単に止められます。

 患者さんに寄り添い、日常生活に皮膚障害を悪化させる因子がないか、聞き出しておきます。パソコンのキーボードでも爪が外れることがありますから、テーピングや手袋の着用など、個々の患者さんに合わせた対応策を指導します。

分子標的薬

分子標的薬で起こる皮膚障害

 分子標的薬は、がん細胞に発現する分子に特異的に作用することで、がん細胞の増殖を抑制する抗がん薬です。従来の細胞障害性抗がん薬にみられるような副作用は少ないですが、攻撃標的としている分子が、がん細胞以外にも発現していることで副作用が生じます。皮膚障害としては、EGFR阻害薬のざ瘡様皮疹や爪囲炎、皮膚乾燥、毛髪や爪の異常、そしてマルチキナーゼ阻害薬の手足症候群が代表的です。

図2 手足症候群
手足症候群

図3 爪囲炎
爪囲炎

図4 ざ瘡様皮疹
ざ瘡様皮疹

皮膚障害のケアと看護師の役割

 EGFR阻害薬では皮脂腺も障害を受けるため、皮膚の乾燥、菲薄化が治りにくく、あらかじめ保湿して悪化させないことが非常に重要です。擦れるところに皮膚障害が出ますので、硬い素材や襟付きの衣類を選ばないようにします。手足症候群は、はじめをいかに乗り切るかが重要になってきますから、前もって「こういうことも起こりうるけど、こうすれば予防できる」という形でお話しするようにしています。手足症候群が起こりやすい薬剤を用いる場合は、投与前に皮膚科で手足チェックをしています。特に元々、圧がかかり胼胝ができている部位はその周りに水泡や紅斑ができやすい傾向にあります。胼胝を削って予防します。また、治療が副腎皮質ステロイド外用薬になりますから、白癬の存在が問題となります。はじめにチェックが入りますから、看護師さんも看てくださっている分野なのではと思います。

 爪囲炎では、はじめは炎症や浮腫を除くためにステロイド薬を塗ります。感染が併発して膿が出てきたら、ステロイド薬をいったん中止して抗菌薬を処方してもらうため、皮膚科を受診するようにします。テーピングの方法を指導しておくと、爪がぶつかっているときに引っ張り固定することで、進行を防ぐことができます。

 ざ瘡様皮疹は、CTCAE v5.0 Grade 2以上からは皮膚科を受診するのがよいでしょう。また、肌が乾燥していると、そこに感染が被ってとびひになったり、毛嚢炎が急に悪くなることがあります。感染を併発すると、ステロイド薬がだんだん効かなくなります。ステロイド薬を塗り続けている患者さんが多いので、看護師さんから「一度清潔に洗って、ステロイド薬を塗るのをちょっとお休みして皮膚科にかかりましょう」とお話しいただくとよいと思います。

 ガビガビの皮がついたままで、そこに感染が加わるとジュクジュクして髭も剃れなくなってしまいます。そこまでになる前に、皮膚科を受診するようにします。かさぶたがついたままの状態もあまりよくないですから、メイク落としを使って無理せずに少しずつ取る方法を指導します。先にワセリンをたっぷり塗ってパックをすると、かさぶたがふやけてきます。ワセリンを拭き取ってから、メイク落としでなじませて乳化させシャワーで流すと、力を入れなくても取れるものだけがポロポロと取れてきます。1週間くらい続けていると、きれいになってきます。

 洗浄後の保湿には、入浴剤を使っても構わないと思います。ただし、最後はシャワーでもう一度洗い流すことを忘れないようにします。



第4回は、免疫チェックポイント阻害薬によって起こる皮膚障害のケアについて解説します。

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ミノン全身シャンプー泡タイプ

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ミノン 薬用ヘアシャンプー

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がん治療の皮膚ケア情報サイト はだカレッジ

はだカレッジ画像
薬物療法の皮膚障害の情報を提供するサイト。
患者・家族向けの情報と医療従事者向けの情報を掲載。
医療従事者向けでは、「皮膚に学ぶ・薬に学ぶ・症例から学ぶ」「外来で役立つ・病棟で役立つ・生活で役立つ」の6つテーマに分けた情報が得られます。

https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hada-college/hcp/

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2020/11/17