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【連載】がん患者さんの皮膚障害とケア

第2回 放射線治療によって起こる皮膚障害のケア【PR】

  • 公開日: 2020/3/24
  • 更新日: 2020/10/22

がんの放射線治療によっても、皮膚障害は発生します。
第2回は、がん放射線治療で発生する皮膚障害について解説します。

放射線治療で起こる皮膚障害

 放射線治療は、がんの治癒を目指す根治的照射、再発・転移を予防する予防的照射、症状や痛みの改善を図る緩和的照射に分けられます。X線、γ線、陽子線、重粒子線などが用いられ、体外からの照射のほか、小線源治療のように身体の中から治療する方法もあります。

 放射線は照射したい部位の表皮も通過するため、表皮は火傷状態となり、皮脂腺がダメージを受けて乾燥し、汗腺細胞へのダメージで汗が出にくくなります。また、皮膚が菲薄化し刺激に弱くなります。放射線皮膚炎は9割近い患者さんに出現します。

放射線治療による皮膚障害
放射線照射により有棘細胞と基底細胞が障害を受ける

放射線性皮膚炎 有害事象共通用語規準 v5.0 日本語訳JCOG版
Grade1 わずかな紅斑や乾性落屑
Grade2 中等度から高度の紅斑;まだらな湿性落屑, ただしほとんどが 皺や襞に限局している;中等度の浮腫
Grade3 皺や襞以外の部位の湿性落屑;軽度の外傷や擦過により出血する
Grade4 生命を脅かす;皮膚全層の壊死や潰瘍;病変部より自然に出血する;皮膚移植を要する
Grade5 死亡

有害事象共通用語規準 v5.0 日本語訳JCOG版より引用

皮膚障害のケアと治療

 ちょっと赤くなってきた、乾燥してきたという軽い症状の場合、擦らないことが肝心であり、そのように指導します。擦れないような衣服を選ぶ、お風呂で洗うときもゴシゴシ擦らない、熱すぎるお湯に入って刺激しないようにします。痒みを感じた場合、搔くと悪化することもありますし、ステロイド外用薬を併用するか判断が必要になりますので、「ちょっと痒い」という早い段階で皮膚科受診を勧めるか、皮膚科へコンサルを依頼するとよいでしょう。

 症状がもう少し進んで、びらんができたり、落屑が多くなってきた場合、落屑が付きっぱなしのところに軟膏を塗ると、軟膏カスがどんどん溜まって感染の原因になります。まずは垢ががうまく取れるようガーゼのハンカチなどで柔らかく取っていきます。あまりに早い段階でジュクジュクしてきたときには、ジメチルイソプロピルアズレン(アズノール)軟膏で様子をみます。軟膏だけで治せる場合も、被覆材を使ったほうが早期の治癒が期待できる場合もあります。「軟膏だけでは難しいかもしれない」というときには、皮膚科を受診するようにします。

 放射線科の医師や看護師が、赤くなってちょっとめくれ始めたときに被覆材を予防的に貼付して、放射線照射の際に剥がすという方法で、進行を防げることもあります。ジュクジュクした場合は感染していることが多く、創部の状態に合わせて塗り薬や抗菌作用がある貼付剤を用います。どのタイプがよいか皮膚科で確認するとよいでしょう。

皮膚障害のケアと看護師の役割

 一番気をつけたいのは感染です。放射線皮膚炎だけでもびらんになるのですが、感染するとより深部まで影響が出て、潰瘍化してしまいます。感染すると滲出液が多く、臭いがあります。抗生物質の服用が必要なこともありますので、「ちょっと臭う、滲出液が多くなってきた」というときは皮膚科に相談してください。

 胸部、特に乳がんの照射では腋の下が悪化しやすいですから、衣類で擦れないように、がっちり固定する必要があります。被覆材で先に押さえてから、さらしのようなもので押さえてというのが一番固定しやすいと思います。弾力チューブ包帯(チュービコット)などで押さえるのもよいでしょう。
 
 顔面もマスクなどで擦れてしまうことがあります。顔への貼付は難しいですが、ワセリンを塗るだけでも十分かと思います。マスクで擦れるところに壊死組織がたくさん付くことがありますので、壊死組織を取ってくれるような被覆材を挟んでマスクをするのもよいでしょう。頬や耳のちょうどマスクをかけるところがただれます。痛いからと洗わないでいると、痂皮、滲出液が固着し、細菌感染の温床となりますので、痂皮を一度きれいに取らなければいけません。ワセリンなどでふやかしつつ、軟らかくなった状態でメイク落としなどを使うと脂成分のカスも取れてきます。一気に落とすと出
血して大変なことになりますから、少しずつ取っていきます。

 一番管理が難しいのは陰部です。陰部は塗り薬も上手く塗れませんし、貼付薬も貼れませんから、早期からの予防がとても大切です。ジメチルイソプロピルアズレン軟膏を塗り保湿して、撥水作用のある軟膏やパウダーなどを外用し、なるべく陰部に尿などがつき刺激となることを防ぐようにします。腹腔内の照射で腸炎を起こすと、陰部、肛門周囲の皮膚炎は悪化します。びらんやひりひりするなどの刺激症状がなくても、赤くなってきた放射線皮膚炎 grade1の早期の段階から撥水作用のある外用剤を使用したほうがよいでしょう。

 髭が伸びたままの状態では髭の間に落屑や滲出液が固着しやすく、細菌感染のリスクが上がり、皮膚炎悪化の要因になります。治療開始前から髭は伸ばさず電気シェーバーで剃るように指導しましょう。放射線皮膚炎が重度となり髭が剃れなくなってしまうこともあります。細菌感染の併発し、抗生剤の内服が必要な場合もありますので、皮膚科への受診を勧め、髭を剃るのが難しいときは無理に剃らなくてもよいので、石鹸での毎日の洗浄は続けてもらいましょう。

セルフケアのポイント

 感染を上手く防ぐには、洗浄が基本です。必ず毎日石けんで洗うことです。ボディーソープを2~3プッシュしてしまうと、濃度の高いものが皮膚に付いてしまいます。できれば泡タイプのものか、固形の石けんをガーゼのハンカチや赤ちゃん用の沐浴タオルなど柔らかい素材のタオルで泡立てて、泡でマッサージするように優しく円を描くように洗うのが一番よいでしょう。手で洗うよりも落屑などのゴミが取れます。お湯に入っても悪くはないのですが、最後にもう一度シャワー、流水で流すことを忘れないようにします。

 洗浄用のタオルを浴室に置きっ放しにすると緑膿菌などの細菌が繁殖します。浴室で干さずに毎回洗濯するようにしましょう。


第3回は、細胞障害性抗がん薬・分子標的薬によって起こる皮膚障害のケアについて解説します。

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がん治療の皮膚ケア情報サイト はだカレッジ

はだカレッジ画像
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医療従事者向けでは、「皮膚に学ぶ・薬に学ぶ・症例から学ぶ」「外来で役立つ・病棟で役立つ・生活で役立つ」の6つテーマに分けた情報が得られます。

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