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HIV感染症の最新治療と今後の展望 ~持効性注射剤による治療で期待されるHIVとともに生きる人々の治療満足度向上~

  • 公開日: 2022/8/19

ヴィーブヘルスケア株式会社が持効性注射剤のHIV治療薬であるボカブリア(カボテグラビル)の国内での製造承認をリカムビス(リルピビリン)との併用にて取得したことを受けて、セミナーが開催されました。その模様をリポートします。

HIV感染症の最新治療と今後の展望-HIV感染症治療の新しい時代へ-

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(NCGM) エイズ治療・研究センター(ACC)センター長 岡 慎一先生

1.HIV感染症の歴史と治療の進歩

 エイズ暗黒時代とされた1990年前後、この時期の治療薬は1、2種類に限られ、それもすぐに効かなくなるようなものでした。1996~7年はさまざまな薬が認可されましたが、副作用が強かったり1日の服薬回数が現在よりも多かったりしたため、服薬指導が重視されていました。服薬中断などにより薬剤耐性ウイルスが出現しないよう、アドヒアランスが重視され始めた時期です。

 2000年以降は薬の副作用や服薬回数が減少した時期でした。その結果、2010年頃には予後の改善を認め、HIV感染者がきちんと治療を受ければ健常者とほぼ同等の余命を期待できるようになります。一方で患者さんの高齢化によるがんや認知症などが問題点となり、合併症対策が課題となりました。

 2020年以降はおそらく予防の時代になります。今回承認されたLong-acting(LA)治療薬は、HIV治療の一定部分を占めてくるとされています。今後は、合併する疾患が問題となってくると思います。

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