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女性に多い手指の不調、もしかすると「更年期手」かも【PR】

  • 公開日: 2023/7/7
  • # 注目ピックアップ
  • # 整形外科
  • # 婦人科

 

中高年の女性に多くあらわれる、手指の痛みやしびれ、腫れ、変形などの不調。以前は整形外科を受診しても「使いすぎ」「年のせい」といわれる患者さんが少なくありませんでした。しかし近年、酷使や加齢以外の発症要因が明らかになり、「更年期手」という言葉が使われるようになってきています。
なぜ手指の不調が女性に起こりやすいのか、そしてどのような対処法があるのか。手外科の専門医である平瀬雄一先生に解説してもらいます。
※手や上肢に関する疾患や傷害を治療する


平瀬 雄一 医師
四谷メディカルキューブ 手の外科・マイクロサージャリーセンター センター長

東京慈恵会医科大学卒業。米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学後、東京慈恵会医大柏病院形成外科医長、埼玉成恵会病院形成外科部長などを歴任し、2010年より現職。日本手外科学会専門医。


1.中高年の女性に起こりやすい「更年期手」とは


Q 手指の不調が起こりやすいのは、どのような人ですか?

A 手指の不調で当院を受診した患者さんを対象に調査したところ、手指の関節に痛みや腫れを訴えて受診するのは女性、とくに50歳前半がもっとも多いことがわかりました。次いで、老年期に入った60代の女性にも多く見られます。
ただし高齢女性のすべてに手指の異常が起こるわけではありません。また、妊娠・授乳期の女性にも起こることがあります。

Q なぜ中高年や妊娠・授乳期の女性に手指の不調が起こりやすいのでしょうか?

A 女性ホルモンの1つである「エストロゲン」の低下が一因と考えられます。エストロゲンは子宮や乳房などに作用して発達を促す一方、脳や心臓、血管、骨、皮膚などにも作用し、全身の健康を維持する上でも大きな役割を果たします。

 

 

女性の体内では思春期以降、卵巣から分泌されるエストロゲンの量が増加。しかし閉経前後の10年間、いわゆる更年期には急激に低下します。月経不順やホットフラッシュ(急な汗、ほてり等)、髪や肌の衰え、骨密度の低下、動脈硬化など、さまざまな不調が更年期に起こりやすいのはそのためです。

手指の不調もその一つで、しびれや関節痛、関節の腫れなどが発症しやすくなります。近年では、このような更年期を迎える頃から始まる手指の不調、軽い症状から病気として治療を受けるまでを総称して「更年期手」と呼ぶケースもみられます。


2.手指の不調に対する処置


Q 高齢女性のすべてに手指の不調が起こるわけではないとのことですが、発症リスクが高いのはどのような人ですか?

A 左右差や利き手、職業との関係性はないことがわかっています。遺伝によるリスクが高いと言われておりますが、食生活や生活環境を受け継いでいることが影響するようです。

Q 手指の不調を訴える患者さんに対して、どのような処置を行うのでしょうか?

A 当院では原因を特定したうえで、鎮痛剤の投与、関節・腱鞘内ステロイド注射、装具の着用などの保存療法、切腱術や人工関節置換術といった手術療法といった治療を行っています。そのほかに患者さんが自分でできる対策として、部位の安静や固定(テーピング)、ストレッチなどとともに、エクオールのサプリメントの摂取をおすすめすることもあります。


3.エストロゲンとよく似た働きをする「エクオール」


Q 「エクオール」とはなんでしょうか?

A エクオールは大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて産生される成分です。化学構造がエストロゲンと非常によく似ており、腱や関節にも存在するエストロゲン受容体と結合します。更年期症状であるほてり、首や肩のこり、骨密度の減少などを抑える可能性が期待できるといわれています。

Q 大豆製品を摂取すれば、腸内でエクオールを作り出すことができるのですか?

A 腸内でエクオールを作り出せるのは、日本人では約5割にとどまります1)。エクオールを産生できるかどうかは市販のキットで検査ができます。仮に作れる人でも大豆の摂取は必要ですし、体調によっては作れないときもありますので、結果に関わらず、エクオールを含むサプリメントなどで直接補うと良いでしょう。その際はエクオールがどう作られているか、品質にこだわっているものをおすすめします。

当院でも手指の不調を抱える人にエクオール10mgを継続的に摂取してもらったところ、「3か月後には6割近くの人に機能や痛みの改善が見られた」というデータが得られております2)。特に、まだ変形前あるいは軽度変形など、初期の手指の不調を訴える患者さんに有効のようです。

 

 

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参考文献
1)麻生武志 他:ウイメンズヘルスケアにおけるサプリメント:大豆イソフラボン代謝産物エクオールの役割.日女性医学誌 2012;20(2): 313-32.
2)平瀬雄一:女性疾患としての手の痛み.日女性医学誌 2018;25(2): 307-11.
3)麻生武志 他 著:インフォームドコンセントのための図解シリーズ ホルモン補充療法.医療ジャーナル社,2012.

 

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