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【厚生労働省】「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(案)」とりまとめ

  • 公開日: 2023/11/28

厚生労働省は、アルコール健康障害の発生を防止するため、適切な飲酒量・飲酒行動の判断に役立ててもらうことを目的に、「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(案)(以下、ガイドライン)」をとりまとめました。


飲酒によるリスク、高齢者・若年者・女性でより高く

 高齢者は体内の水分量の減少などに伴い、同量のアルコールでも酔いやすくなるほか、飲酒量が一定量を超えると認知症発症の可能性が高まると指摘。10代および20代の若年者についても、多量の飲酒によって脳の機能が低下したり、健康問題(高血圧など)のリスクが高まるおそれがあるとしています。さらに、女性に関しては、一般的に、男性と比較して体内の水分量や分解できるアルコール量が少なく、アルコールの影響を受けやすいとしています。

1日の純アルコール量、男性40g以上、女性20g以上でリスクに

 高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中などは、たとえ少量であっても飲酒自体が発症リスクを上昇させるおそれがあることから、飲酒量(純アルコール量)をできるだけ少なくすることが重要としています。また、参考となる純アルコール量の数値として、1日当たりの純アルコール量が男性40g以上、女性20g以上になると、生活習慣病のリスクが高まるとしています。

ビール500mLでリスクにつながる可能性も

 純アルコール量は、「グラム(g)=お酒の量(mL)×アルコール度数(%)÷100×0.8(アルコール比重)」で算出することができます。例えば、アルコール度数5%のビールを500mL飲んだ場合、純アルコール量は20g〔500(mL)×0.05×0.8〕となり、女性にとってリスクとされる1日当たりの純アルコール量に達します。少量の飲酒を心がければ安全であるとは言い切れないものの、飲酒をする場合には、お酒に含まれる純アルコール量を意識することで、健康管理やリスクの低減につなげることができるとしています。

飲酒時に配慮したい5つのポイント

 ガイドラインでは、次の5つのポイントを考慮したうえで飲酒することが重要としています。

①飲酒状況などを把握する

 医師への相談や、スクリーニングテスト(AUDIT)の結果などを参考に自身の飲酒習慣の把握に努め、飲酒により生じるリスクを減らすことが重要としています。

②飲酒量を決める

 自ら飲む量を決めることが飲酒行動の改善につながるため、何をどれくらい飲むのか、自分で決めて飲酒することが大切であるとしています。

③飲酒前あるいは飲酒中に食事をとる

 飲酒前や飲酒中に食事をとることで、血中のアルコール濃度が上がりにくくなり、お酒に酔いにくくなる効果が期待できるとしています。

④飲酒の合間に水(炭酸水)を摂取する

 飲酒の合間に水を摂取することで、アルコールをゆっくり分解・吸収できるようになるとしています。

⑤1週間のうち、飲酒をしない日を設ける

 毎日飲酒を続けた場合、アルコール依存症の発症につながるおそれがあることから、1週間の純アルコール摂取量を減らすため、定期的に飲酒をするような習慣を避けるなどの配慮が必要としています。

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