スキンケアはなぜ必要?【PR】
- 公開日: 2025/2/17
スキンケアの基本と必要性
皮膚の構造を知ろう
皮膚は体表から順に「表皮層」、「真皮層」、「皮下組織層」で構成されています(図1)。
表皮層は体表から順に角質層、顆粒層、有棘層、基底層に分かれています。最表面にある表皮層は、水分の蒸発や乾燥、外部環境からの刺激、微生物やアレルゲンなどの異物の侵入を防ぐバリア機能として、重要な役割を果たしています。
真皮層は乳頭層、乳頭下層、網状層の3層から構成されています。真皮層の大部分を占める網状層は、膠原線維(コラーゲン線維)や弾性線維(エラスチン線維)に富む結合組織で、皮膚の張りや弾力を保ちます。
皮下組織は真皮と筋肉、骨格との間にある組織で、動脈、静脈、皮神経が走行しています。脂肪組織が大部分を占め、体温維持やエネルギー代謝、外力に対するクッションの役割があります。
表皮層のバリア機能とは
表皮の細胞は、表皮層の最も深いところにある基底層でつくられ、分化を繰り返し徐々に表面に押し上げられていきます。最終的には死んだ細胞が積み重なって角質となり、垢となって脱落するというサイクルを繰り返します。このサイクルをターンオーバーといい、適切な周期が保たれることで、皮膚を健康な状態に維持しています。
皮膚の一次的なバリア機能として、重要な役割を担っているのが、外界との境界にある角質層です。
角質層は角質細胞がブロック状に規則正しく並び、その間を埋めるような形で角質細胞間脂質が存在しています。角質細胞間脂質や汗腺・皮脂腺から分泌される汗と皮脂が混じり合ってできている皮脂膜は一次バリアとして皮膚表面を覆っています。この皮脂膜のpHが弱酸性に保たれることで、外部からの刺激や微生物の繁殖を抑えています(酸外套という)。角質細胞間脂質は、二次バリアとしてセラミドなどの脂質層と水分子の層が交互に何層も重なり合っているラメラ構造を形成することによって角質層を支えています(図2)。
角質細胞にはアミノ酸を主成分とした天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)が保持されており、皮脂膜、角質細胞間脂質とともに、皮膚の保湿機能を維持しています。
乾燥、ドライスキンによるリスクとは
健康な皮膚では、バリア機能が維持されています。しかし、皮膚が乾燥しドライスキンの状態になると、皮脂膜がめくれ上がり、角質層から体内に異物が侵入しやすくなります。そのため、接触皮膚炎、アレルギー性や感染性の皮膚炎、皮膚の損傷といったスキントラブルが生じるリスクが高まります。また、皮膚の亀裂や落屑、湿疹などの乾燥性皮膚炎が生じることもあります。
加えて、乾燥により刺激を感知する神経が皮膚の表面にまで伸びてくるため、かゆみを感じやすくなります。かゆみを解消するために皮膚を掻破すると、皮脂膜や角質にダメージを与え、さらにバリア機能が低下しかゆみが増すという悪循環に陥ってしまいます。
皮膚が浸軟した状態でも、角質細胞が余分な水分で膨らみ不均一な細胞になることにより、角質層の構造が乱れ、バリア機能の低下が生じます。
スキンケアの必要性
バリア機能など皮膚の生理機能を良好に維持するために不可欠なのがスキンケアです。スキンケアはドライスキンに限らず、健康な皮膚、炎症や創がある皮膚でも必要です。
特に高齢者では加齢により、皮脂やNMF、角質細胞間脂質が減少するため乾燥しやすく、バリア機能の低下は避けられません。ターンオーバーも延長し、皮膚は平坦化して薄くなり、非常に脆弱な状態になります。そのため、より一層スキンケアが重要になります(図3)。
真皮では,線維芽細胞、膠原線維(コラーゲン線維)や弾性線維(エラスチン繊維)のいずれも減少しますので、しわができ弾力性の低下が生じます。また、脂腺などの付属器の萎縮し、真皮内の小血管網は減少し, 血管壁の構造も変化し,血管が脆弱化します。皮下脂肪組織も減少します。
皮膚はターンオーバーの周期で生まれ変わるため、スキンケアの効果はすぐには現れません。変化がみられなくても毎日行い、継続していくことが大切です。
また、水分の摂取量や栄養状態、湿度など乾燥に影響する要因を改善していくことも、スキンケアの効果を高めることにつながります。
スキンケアの基本(洗浄・保湿・保護)
スキンケアの基本は、洗浄・保湿・保護です。まずは洗浄で皮膚を清潔に保ちます。洗浄をすると、汚れとともに皮脂も減少するため、保湿で水分(モイスチャー)を補い、蒸発しないように油分(エモリエント)で覆います。保湿した後は、必要に応じて撥水保護クリームや被覆材を用いて、排泄物などの化学的刺激や摩擦などの物理的刺激、浸軟から皮膚を保護します。また、日焼け止めクリームで紫外線を防ぐことも保護のひとつです。
スキンケアはこれら一連の流れで行いますが、洗浄後でなくても乾燥がみられるときは保湿をするなど、必要に応じてケアを追加します。
高齢者では皮膚が脆弱になっているため、愛護的に洗浄・保湿・保護を行うとともに、患者さんの皮膚の状態に応じて適切なスキンケア製品や物品を選択することも大切です。
2 保湿 水分(モイスチャー)を補い、水分が蒸発しないよう油分(エモリエント)で覆い、皮膚の乾燥を防ぐことで、皮膚のバリア機能を維持するために行う
3 保護 撥水保護クリームや被覆材を用いて、排泄物などの化学的刺激や摩擦などの物理的刺激、浸軟から皮膚を保護するために行う
敏感肌にも使えるミノンシリーズ
ミノン全身シャンプー泡タイプ
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[医薬部外品]販売名:ミノン全身シャンプーW
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がん治療の皮膚ケア情報サイト はだカレッジ
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薬物療法の皮膚障害の情報を提供するサイト。
患者・家族向けの情報と医療従事者向けの情報を掲載。
医療従事者向けでは、「皮膚に学ぶ・薬に学ぶ・症例から学ぶ」「外来で役立つ・病棟で役立つ・生活で役立つ」の6つテーマに分けた情報が得られます。