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【連載】脳神経外科看護のQ&A! 皆さんの疑問にお答えします!

スパイナルドレーン留置中の患者さんに清拭を行うときの注意点が知りたい!

  • 公開日: 2025/11/29

Q.スパイナルドレーンを留置している患者さんの清拭をしたのですが、何に気を付ければよいかわからず、非常に怖いと感じました。スパイナルドレーンを留置している患者さんに清拭を行う際の注意点を教えてください。
A.清拭時はドレーンの事故抜去、オーバードレナージ、感染などに注意します。清拭が終わったあとは、ドレーンの固定や接続部が外れていないか、閉塞や屈曲がみられないか、排液量・性状に異常がないかの確認を行います。

清拭時の注意点

 ドレーン留置中の患者さんのケアでは、細やかな配慮が必要とされます。中でも、スパイナルドレーンの挿入部は背面にあり、ベッドと接しているため、意識清明な患者さんでも管理が難しいところがあります。清拭を行う際は、ドレーンの事故抜去、オーバードレナージ、感染などに注意し、できれば2人以上でケアを行うのが望ましいでしょう。

 また、開放式ドレーンの場合、ベッドの角度や頭の高さでドレーン圧が変わってしまうため、しっかりとクランプします。クランプしている時間はなるべく短くし、髄液の滞留を防ぎます。清拭終了後はクランプ解除を忘れずに行いしょう。

ドレーンの事故抜去

 最も避けたいのは、ドレーンが抜けてしまうことです。清拭を始める前に、ドレーンを固定するフィルムドレッシング材やテープが剥がれていないか、ドレーンが抜けかかっていないかを確認します。事故や抜去のリスクになるため、むやみに固定部に触れないようにする、ドレーンを引っ張ったり、ねじったりしないようにするなど、固定部やドレーンの取り扱いに常に気を配り、焦らずに清拭を行います。

オーバードレナージ

 オーバードレナージにも注意が必要です。圧の設定を確認し、開放式のドレーンの場合は、あらかじめクランプしてから行います。

 患者さんが力んでしまうとドレナージ回路に過剰な陰圧がかかり、オーバードレナージとなるリスクがあるため、患者さんに負荷がかからないようなケアを心がけます。例えば、術後の痛みがある場合、ケアにより痛みが増強されると、痛みに反応して身体に力が入る可能性があります。清拭を実施する前に疼痛の有無を患者さんに確認し、痛みがある場合は事前に疼痛コントロールを行います。

 ほかに、2人以上でケアを行うことで、できるだけケアの時間を短くして患者さんの負担を最小限に抑える、患者さんにとって安楽な姿勢を保持したうえでケアを行うなどの配慮も必要です。

感染

 清拭は清潔を保持し、感染を予防するためにも重要なケアです。一方で、ドレーンの固定が外れる、接続部が不潔になるなど、感染のきっかけとなるリスクを持ち合わせています。ドレーンの固定や挿入部を保護するフィルムドレッシング材が剥がれないように配慮するとともに、接続部に触れて不潔にならないように注意し、感染予防に努めます。

 また、清拭は、患者さんの皮膚の状態を観察できる貴重な機会でもあります。清拭のタイミングで、主に挿入部からの髄液漏や出血、感染徴候(発赤、腫脹、熱感、疼痛)などがみられないか観察します。

清拭後の確認

 清拭が終わり、患者さんの衣服と体位を整えたあとは、挿入部から排液バッグまでドレーンのルートをたどり、ドレーンの固定や接続部が外れていないか、閉塞や屈曲がみられないかを確認します。ドレーンをクランプした場合は必ず解除し、排液量・性状に異常がないかの観察も行います。

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