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【連載】女性のがんのケア

第6回 治療の選択で悩む患者さんへのアプローチ

  • 公開日: 2013/1/17
  • 更新日: 2020/10/21

乳がん、子宮がん、卵巣がんという女性のがんの場合、治療をすることによって女性らしさの喪失につながると考える患者さんが多く見られます。今回は、本人が十分に納得して治療を受けられるようどのようにアプローチすればいいのかを考えます。


Q 治療の選択で悩む患者さんに対して、どのようなアプローチをすればよいでしょうか。

A 患者さんの理解度を確認しながら、悩みの原因をアセスメントし、なるべく具体的イメージがもてるような情報提供を行います。

解説 治療法が多様なため悩むケースがある

多くのがん治療は副作用を伴うため、治療を継続するには、つらい症状をうまく乗り切ったり、上手に付き合うことが重要です。

特に女性のがんの場合、治療に伴い出現する脱毛や皮膚障害、更年期様症状などが、女性らしさの喪失につながると考える患者さんが多くみられることから、本人が十分に納得し治療の選択をすることが重要になります。

患者さんが治療選択に悩む理由の一つは、治療法が多様だということです。

なかでも乳がんは、手術であれば乳房温存術か乳房切除術、乳房切除術であれば乳房再建術を行うか否か、薬物療法に関しては化学療法か、内分泌療法あるいは、分子標的治療法かをなどから治療方法を選択しなければなりません。

婦人科がんの場合は、妊孕性が温存できるのか、卵巣機能を残したいと考えるのか、手術療法を選択するのか、放射線療法を選ぶのかなどの意思決定が必要になります。

もちろん医療者側から最適な治療法の提案を行いますが、自らの考えや価値観により自己決定をしなければならない場面も多く、難しく感じられるのでしょう。

※続いては、患者さんへの情報提供について考えます。
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術後の身体の変化がイメージできていない場合は理解度の把握と情報提供を行う

また、患者さんが手術・治療による身体の変化をイメージできないことも要因となります。個々の価値観でも異なりますが、手術や治療で変化が生じる身体の部分に、女性らしさや自分らしさという価値観を抱いている人は、決断にかなり迷うようです。

こうした患者さんへの支援には、まず本人が治療についてどのように理解しているのか、手術や治療による身体への変化をどのように感じているかを確認する必要があります。

できれば診察に同席して、患者さんの表情や言動を観察し、受診後には、患者さんが正しく理解をしているか、どんなところに迷いを感じているのかを聞いてアセスメントし、必要な情報を提供します。

情報提供は写真やイラストを用いたり費用についても伝える

情報提供の際は、写真やイラストなどを用いて術後や治療後を混乱なくイメージできるよう留意します。治療が生活に及ぼす影響についても、できるだけ具体的に伝え、患者さんが自らの考えやライフスタイルに合った選択ができるようにします。

また、高額医療費制度を使ってもがん治療の費用はかなりの負担です。費用面についても伝えておきましょう。

患者さんのなかには、誤った情報をもとに判断したり、標準治療とはいえない治療を望むことがあります。

この場合、患者さんの誤った知識を修正する過程に寄り添うとともに、どうしてその治療を望んでいるのかしっかりとアセスメントすることが大切です。

そうすることで、本当に求めているような治療効果が期待できるものなのか、医師にも相談しながら、患者さんと一緒に吟味できると思います。

こうした介入は、患者さんが援助を求めてきたときや、手術方法や術後の治療の選択を迫られる話をするタイミングで行うとよいでしょう。

※次回はセンチネルリンパ生検について解説します。

(『ナース専科マガジン』2011年1月号より転載)