無呼吸アラームの原因と対応
- 公開日: 2013/11/10
メーカーや機種によって、表示も名称も異なるのが人工呼吸器のアラーム。たくさんの種類をすべて記憶するのは大変難しいことです。人工呼吸器にとって主要なアラームをピックアップし、原理原則と対応の基本をまとめました。
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人工呼吸器のアラームの原因と対応
どんなアラーム?
設定された時間を超えても自発呼吸が感知できない場合に鳴るアラームです。
人工呼吸器自体の問題としては、気管チューブのカフ圧の低下、気管チューブ内に水などが溜まったことによる閉塞などが考えられます。
患者さん側の問題としては、自発呼吸が停止した、または非常に弱くなったことなどが原因になります。具体的には、容態の悪化、吸気努力の減少、用手換気などで過換気になりPaCO2が低下して呼吸が抑制された、麻薬性などの鎮静薬の投与によって呼吸が抑制されたといったことが考えられます。
人工呼吸器の各設定値に問題があることもあります。無呼吸の時間、1回換気量や気道内圧の下限、PSVのトリガーなどの設定が鈍すぎることも原因になります。
対応の原理原則
自発呼吸がなくなっていたら、蘇生などの治療や処置を行い、その原因を探ります。過換気が原因と考えられる場合は、用手換気の回数が多過ぎてさらに過換気になるようなことがないように注意が必要です。また自発呼吸が消失した場合は、それまでの設定では機能しないわけですから、人工呼吸器の設定を変更します。
患者さんの安全が確保できたら、人工呼吸器の回路に異常がないか、気管内チューブのカフ圧、加温加湿器などを含めて、回路全体を一通りチェックします。異常が見つかったらすぐに直し、患者さんの呼吸状態を観察します。
回路に異常がなく、自発呼吸があるのにもかかわらず無呼吸アラームが鳴ってしまう場合は、設定値が不適切であることが考えられるので、医師に報告し、設定値を変更します。