酸素療法で加湿は常に必要か?
- 公開日: 2012/3/27
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酸素療法とは?種類・目的・適応・看護
人工呼吸器を着けている患者さんに接することはなくても、酸素療法を行っていたり、スクイージングを実施してもいいのかどうか迷うことはあるのではないでしょうか。今回は、酸素療法時の加湿や、どんなときにスクイージングを行えば効果的かについて解説します。
Q. 酸素療法を実施する場合、常に加湿は必要なのでしょうか。
A. 鼻カニューラは3L/分まで、ベンチュリーマスクは酸素量に関係なく酸素濃度40%までは加湿する必要性はありません。
酸素濃度40%までは加湿の必要性はなし
鼻カニューラでは3L/分まで、ベンチュリーマスクでは酸素量に関係なく酸素濃度40%まではあえて加湿する必要性はないとされています。しかし、最終的には患者さんの状態をアセスメントし、医師とともに判断します。
例えば、1回換気量が400mL、平均吸気時間が1秒の場合、鼻カニューラ3L/分の酸素投与下で、配管からの酸素は50mLしか吸入せず、残りの 350mLは大気中の空気となります。私たちが呼吸によってこれらの酸素を取り込む際は、鼻腔という天然の加湿器を通しているため、通常吸入する空気は十分に加湿されています。つまり、配管からの酸素流量が3Lであっても、実際の1回換気量に含まれる配管からの酸素の割合が少ないことを考えると、あえて加 湿をしなくても水分量が保たれると考えられているのです。
しかし、[1]気管切開をしている、[2]鼻腔の加湿能力が低下している、[3]鼻腔や口腔の乾燥を強く訴える、[4]小児、[5]COPDで長期酸素療法が必要、などの患者さんの場合は加湿の必要性を検討します。
酸素療法においては、鼻カニューラとベンチュリーマスクのどちらを使用したとしても、加湿の要・不要は、1回換気量に対する鼻カニューラまたはベンチュリーマスクからの酸素の割合で判断します。