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【連載】検査値をケアに活かす!

【胆管閉塞】メカニズムと検査値編

  • 公開日: 2014/4/19

臨床の現場で検査値を活用していくためには、疾患のメカニズムとのかかわりを念頭に置きながら読み取っていくことが大切です。
臓器の働きや疾患がどのようにして起こるかを確認し、検査値の動きと読み取るためのポイントを解説します。


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胆管閉塞のメカニズム

胆汁は、脂肪分解酵素のリパーゼの働きを助ける界面活性剤の働きを有する液体で、1日におよそ1000mL程度が肝臓で産生され、十二指腸ファーター乳頭から腸管内へ排出されます。

胆管閉塞は、胆汁を肝臓から十二指腸まで運ぶ胆管が、腫瘍や胆石などによって狭窄・閉塞した状態です。

胆管閉塞部位から逆行性に、肝臓内にうっ帯した胆汁中に含まれるビリルビンが血中に移行すると、黄疸が出現します。

総ビリルビンが3mg/dLを超えると、皮膚や眼球結膜の黄染が明らかになります。また、ビリルビンが組織に沈着すると全身に強い掻痒感を生じます。同時に褐色のビリルビン尿や、灰白色便がみられることもあります。

さらに、胆管で胆汁がうっ帯にすることで腸管内から逆行性に細菌感染を起こしやすくなり、胆管炎を発症する場合があります。

胆管周囲には血管が多い上、肝臓とつながっているので、敗血症に進むことも少なくありません。

敗血症からDICなどの重篤な合併症を引き起こし、ひいては多臓器不全に至る可能性があります。

また、胆管閉塞を放置すると、うっ帯した胆汁によって肝臓の細胞が硬くなり、肝硬変のような状態になります。胆管閉塞と直結するビリルビン値、ALP、γ-GTPに加えて、白血球やCRPといった炎症を示す検査値なども注意深くみていく必要があります。

続いては、「胆管閉塞を示す検査値」について解説します。

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