【抜管後の看護ケア】欠かせない4つの観察ポイント
- 公開日: 2015/2/21
- 更新日: 2021/1/6
抜管による合併症には、上気道閉塞、低酸素血症、無気肺などがあります。抜管後にはこれらを念頭におきながら、合併症の早期発見・予防をはかり、再挿管を回避することが大切です。
今回は抜管後に欠かせない4つの観察ポイントを紹介します。
観察ポイント1 上気道閉塞
最も注意したいのが、上気道の閉塞です。
気管チューブによる物理的損傷によって喉頭浮腫が起こることがあります。
頸部の聴診で吸気時の狭窄音が聞かれます。
浮腫の発生時期には個人差があり、抜管直後から生じる人もいれば、数時間後に生じる人もいます。
また、浮腫予防のために、抜管前にステロイド剤が投与されることもあります。
観察ポイント2 気道内クリアランス
十分な咳嗽反射がないと気道内分泌物が貯留して、気道内クリアランスが低下することがあります。
気道内クリアランスとは、気道内の痰などの貯留物を排出する能力のことで、この能力が十分でない場合は、吸引や体位ドレナージなどでh排痰を促す援助を行います。
観察ポイント3 呼吸状態
人工呼吸器下では呼吸筋力が低下している人も少なくありません。
抜管後は気道抵抗が大きくなり、呼吸仕事量が増えるので、換気量の低下が見られます。
- 呼吸様式
- 呼吸回数
- SpO2
- 呼吸音
- 発汗の有無
などを観察します。
また、以下4つの状態が5分以上続く場合は、呼吸不全のサインです。
- 呼吸補助筋(特に胸鎖乳突筋)の使用
- シーソー呼吸
- 呼吸回数>30回/分
- SpO2<90%
観察ポイント4 循環状態
心機能が低下している場合、人工呼吸による陽圧換気から陰圧換気への変化が、病態に影響を及ぼすことがあります。
特に、抜管直後~30分間はベッドサイドで
- チアノーゼの有無
- 末梢の温度
- 心拍数
- 血圧
- 尿量
を注意深く観察します。
(『ナース専科マガジン2014年6月号』より改変利用)