第3回 ナースの業務改善や医療費の負担削減にも貢献!
- 公開日: 2014/6/30
経口摂取が難しい患者に対する栄養療法の1つ「経腸栄養」。効率よく栄養を摂取できることに加えて、管理が簡便なことから、医療現場だけでなく介護施設でも重宝されています。しかしその反面、合併症の頻度が多く、医療者を悩ませてきました。
そこで今回は、合併症の代表例である「下痢」の発生率を大幅に軽減させた、堀ノ内病院(埼玉県)の取り組みを紹介します。
第1回 NSTを中心に「抗生剤に負けない腸をつくる」はコチラから
第2回 腸内細菌叢の正常化によって便性・便回数が改善! はコチラから
オムツの交換回数が減って
時間・気持ちに余裕が持てるように
『BB536』の使用によって、以下のように日々の看護にもメリットがありました。
- ●下痢発生率の低下によって、オムツ交換の回数が減少 オムツ交換にかかっていた時間が減り、別の業務に使うことができるようになった
- ●CD菌保有率低下によって、作業時間が減少 院内感染防止のために、患者さんの隔離作業時間が減った。さらに、ガウンのコストも削減できた
下痢の処置には、通常1時間くらいかかってしまうそうですが、下痢発生率が下がったことによって、「15分でオムツ交換が終わったから、他の業務に時間を回せた」「オムツ交換の回数が減って、患者さんもラクそうだった」「ご家族もにおいを気にされなくなった」などの声が看護師から挙がるようになってきています。
「下痢については、処置そのものよりも、『下痢を処理しなきゃいけない』という看護師のメンタル面への影響の方が大きいと思います。『また下痢になってしまった。処理をしなきゃ』と思う回数が減ったことで、スタッフの気持ちにも余裕が生まれ、働きやすさにつながったように思います」(長野看護部長)
患者さんの体調がよくなって医療費の負担も減る
下痢発生率が下がったことは、医療費の負担費用の軽減にも大きく貢献しています。
CD菌による下痢症状で生じる負担金額
病院側 141,036円/週
- ●個室差額代金:49,000円(7,000円/日×7日) ※法律上、感染症では個室料を請求できないため病院負担
- ●ガウン代金:14,112円(168円×6回×2人×7日) ※寝たきり、拘縮の患者が多く、処置を2人体制にしているため
- ●薬剤(内服薬バンコマイシン):77,924円(2,783円×4V×7日)
患者さん側 46,060円/週
- ●おむつ・消臭パッド代金(廃棄代含):14,700円(350円×6回×7日)
- ●薬剤負担(3割負担):23,520円(840円×4V×7日)
- ●薬剤負担(1割負担): 7,840円(280円×4V×7日)
これらの負担金額は、CD菌による下痢が発生しなければ、本来は払う必要のないもの。患者さんの体調をよくすることを第一に考えて『BB536』の投与を推進した結果、経済的な副産物も生まれたのです。
「紆余曲折の末にたどりついた『ビフィズス菌』ですが、『腸が元気になれば身体が元気になる』という基本的なことを改めて学んだように思います。患者さん自身の体調改善や負担軽減はもちろんのこと、看護師の業務改善や、医療費の負担を減らす効果にもつながりました。
そのほかにも、お見舞いに来られるご家族の方々が、元気になった患者さんからパワーをもらって帰られるなど、たくさんの好循環が生まれています。
これからも、患者さんに元気になってもらうために『元気の活力は腸から!』で頑張ります」(岡村師長)
ビフィズス菌末BB536の投与の様子
ビフィズス菌はナースにも効果アリ
『ビフィズス菌末BB536』は、患者さんだけでなく看護師にも効果のある機能性食品です。「ナースは不規則な勤務の影響で便秘症の方が多いですが、私は『BB536』のおかげで、“快腸”です(笑)。
また、子育て中のナースには、『お子さんの風邪予防のために』と勧めていますし、花粉症にも効くそうですよ」(岡村師長)