【気胸の看護】ドレーン管理(1)「エアリーク」をみる
- 公開日: 2015/12/14
- 更新日: 2021/1/6
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ポイント1 エアリークをみる
エアリークとは?
一般的にエアリークとは「空気漏れ」を意味しますが、胸腔ドレナージでは、「胸腔内から気体が排出されている状態」をいいます。胸腔内から排出された気体は、排液ボトルから水封室へ移行し、水封室の液体で気泡として確認されます。
どこをみればいいの?
排液ボトルの隣にある水封室の液体に、気泡が出現することで確認できます。
何がわかる?
気泡が持続して認められる場合は、エアリークがあると判断します。呼気時のみにみられる場合は、軽度の損傷で自然に治まることがほとんどです。
呼気・吸気に関係なく持続的にみられる場合は、損傷の程度が大きいか、ドレーン回路からの漏れのおそれがあります。
こんなときは正常!
激しく出ていた気泡が減少していく
通常は、胸腔ドレーンの開始直後から連続した気泡がみられます。気胸の状態が改善されていくと、脱気される空気の量が減少します。それに伴って連続的だった気泡が、断続的な気泡へと変化していきます。
このとき気泡の大きさは小さく均一的になります。そして、胸膜に開いていた穴が治癒すると、最終的に気泡は消失します。
患者さんが咳をした、あるいは清拭や体位変換などを行ったとき、胸腔内の空気が一時的に押し出されて大量のエアリークがみられることがありますが、このときの気泡はすぐに消失します。
気泡(エアリーク)の正常な経過
こんなときは異常!
ドレナージ直後から、エアリークがみられない
→ドレーン回路の気密性の不良(接続部からの空気の漏れ、ドレーンの閉塞など)
断続的になった気泡が、また連続的になってしまった
→胸腔内での異常の発生(気胸の再発など)
ドレーン回路の気密性の不良(チューブ外れなど)
断続的な気泡がずっと減少しない
→胸腔内での異常の発生(気胸が治癒しないなど)
ドレーン回路の気密性の不良(チューブ外れなど)
異常時は回路のチェックを忘れずに
- 刺入部の固定に異常はないか
- ドレーンとドレナージボトルはきちんと接続されているか
- 水封室と吸引圧制御ボトルをつなぐチューブはきちんと接続されているか
- 吸引ポート(吸引口)にきちんと接続され、圧がコントロールされているか
(『ナース専科マガジン』2013年4月号から改変利用)
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