最新治療薬ガイド【DPP-4阻害薬】
- 公開日: 2014/8/27
表 DPP-4阻害薬
DPP-4阻害薬の作用のしくみ
DPP-4(ペプチジルペプチターゼ-4)」は、インクレチンを分解・不活性化させる酵素。インクレチンは、腎臓、肝臓、腸、リンパ球、血管内皮細胞など多くの組織に広く発現し、食後の高血糖のときにのみインスリンを分泌させるホルモンです。
そのため、DPP-4の働きを阻害すると、インクレチン(活性型GLP-1、活性型GIP)の濃度が高まり、血糖低下作用を示します。
また、SU薬などとの併用で、より血糖の安定も図られます。例えば、インスリン抵抗性を改善する薬剤であるビグアナイド薬やチアゾリジン薬と、インスリン分泌を促進するDPP-4阻害薬との併用で相加的効果が、SU薬や速効型インスリン分泌促進薬との併用で相乗的効果が期待できます。
単独で使用する場合は、低血糖を起こさない、膵β細胞を保護し機能を回復させる、体重の減少効果があるなどのメリットもあります。インスリン分泌作用のほかにも、脳や心臓の保護作用により、合併症の改善も期待できます。現在、日本で最も多く使用されている経口血糖降下薬で、今後も使用が増えていくと思われます。
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