第15回 SpO2が70%台になってしまった患者さん(その1)
- 公開日: 2015/7/17
今回はSpO2が下がった患者さん。酸素を上げるべきか、ほかのことをするべきか、みなさんにアセスメントしてもらいました。
今回の事例
[さくらさん から提供された事例]
慢性心不全の患者さんが肺炎を併発し、入院してきた83歳の患者さん。入院時より経鼻カニューラで3L/分で酸素を投与していました。入院時の医師からの指示は「SpO2 92%未満で酸素を1Lずつ上げる、リザーバーマスクに変更も可で最大8Lまで。97%以上で1Lずつ下げる」となっていました。入院時のSpO2は80%台だったものの、経鼻カニューラ3Lで95%に上昇。
ところが、ある日、患者さんの状態が悪化し、SpO2が70%台となっているのを発見しました。
→あなたなら、どうケアする?
まずは、事例のような状態の患者さんに対して、まずはどうケアをするのかをコミュニティの会員に聞きました。回答数は528人。
山内先生の回答を先に読みたい方はこちら
山内先生の回答
みんなの回答
あなたならまずはどうケアしますか
約半数の人が、吸引をすると答えています。次いで多かったのが、バイタルサインを確認する、でした。
事例つづき
喀痰を吸引するもSpO2は上昇しませんでした。呼吸はやや頻拍、意識レベルはJCS I台からII台へ低下、脈拍が80台から100台へ上昇、血圧は低下なし、体温は37℃前半、末梢冷感がありました。
さらに、患者さんが上記のような状態になったとき、酸素投与方法を変更するかどうかを聞きました。
患者さんが上記のような状態になったとき、酸素投与方法を変更しますか?
ほとんどの人が、酸素マスクやリザーバーマスクに変更すると答えていました。
引き続き、事例をどう考えたのか、みなさんのコメントを紹介していきます。
■「酸素マスクに変更する」を選んだ人の回答理由
●意識低下がみられる場合口呼吸になっていることが多いのでまずはてっとり早く他のリスクを招きにくいマスクに変え、同時進行でアセスメント&Drコールを検討する。
●とりあえずカニューレよりも高濃度の酸素を投与。反応を見てリザーバーに変更する。ナルコーシスのリスク考慮。
●経鼻カニューラは3L以上だと使用しない。
●より流量の多い酸素を投与する必要があるため。
●酸素マスクに換えたほうがより早くSpO2が上昇すると思う。
●低酸素による低酸素脳症になっているのではないかと考え、まずは酸素流量を上げていく。酸素カニューラ適応量を超えたら酸素マスク、さらに酸素流量を上げる必要があるようであれば、リザーバーマスクに変えていく。
●経鼻では酸素が充分に送気されていない可能性を考えました。
●ひとまずマスクに変えて、それでもダメならリザーバーにする。