第5回 浮腫・リンパ浮腫患者さんの感染対策と指導のポイント
- 公開日: 2016/3/28
- 更新日: 2021/1/6
がん治療に伴い生じる浮腫とリンパ浮腫について、そのメカニズムとともに感染予防に関する基礎知識を紹介します。
▼浮腫についてまとめて読むならコチラ
【浮腫とは?】浮腫のメカニズムと治療・ケア
▼がん化学療法についてまとめて読むならコチラ
がん化学療法とは?副作用の出現時期や症状別の看護
感染予防に欠かせない「スキンケア」
リンパ浮腫における感染予防として、「スキンケア」は、早期から行われるべき必要不可欠で基本的なケアです。
予防的スキンケアの柱となるのは、もっとも重要なバリア機能をもつ「表皮」の状態をいかに良好に維持するかです。スキンケアの多くは患者さん自身によるセルフケアとなるため、観察・ケアがなぜ必要かという理由を明確にし、セルフケアの重要性を理解してもらい、自発的に継続できるように指導を行うことが大切です。
そのためには、まず正常な皮膚の構造と機能の理解を図るとともに、リンパ浮腫によって起こる皮膚のダメージを患者さんにも理解してもらうことからスタートすると良いでしょう。
また、患者さん指導の際には、一度に大量の情報を伝えることは避け、広く浅い情報から段階を追って伝えていくことも大切です。
感染徴候がみられたら
感染徴候として、浮腫のある部位の発赤や斑点、広範囲の発赤、熱感、圧痛などがみられます。感染徴候がみられたら、まず抗生物質の投与について医師の指示を仰ぎます。同時にリンパ浮腫であれば、患部の用手的リンパドレナージ、圧迫療法、運動療法をすべて中止して安静を保ちます。
カテゴリの新着記事
ネフローゼ症候群の患者さんの看護計画
ネフローゼ症候群の治療を受ける患者さんに対する看護計画 ネフローゼ症候群は、糸球体の障害による多量の蛋白尿の排泄と、それに伴う低アルブミン血症を特徴とする症候群です。腎機能の障害や体内のアルブミンが低下することでさまざまな症状が出現するため、今回はネフローゼ症候群の患者さ
-
-
- 体液過剰に対する看護計画|心不全の患者さん
-
-
-
- 浮腫のある患者さんへの看護計画|低栄養で浮腫が生じている患者さん
-
-
-
- ~国内28年ぶりの新薬発売。今こそHAEの早期診断・早期治療を~ 「未診断患者ゼロへ HAEとは」
-
-
-
- 遺伝性血管性浮腫(HAE)の症状記録アプリが提供開始
-