第4回 がん治療中の皮膚障害とスキンケア
- 公開日: 2016/3/19
- 更新日: 2021/1/6
分子標的治療薬をはじめとする抗がん剤や、放射線治療の副作用による皮膚障害は、皮膚のバリア機能を低下させ、感染のリスクを高めます。皮膚障害のあるがん患者さんにおいて、どのような対策が必要なのかを解説します。
▼がん化学療法についてまとめて読むならコチラ
がん化学療法とは?副作用の出現時期や症状別の看護
皮膚障害をもつがん患者さんの感染要因
「全身的要因」と「局所的要因」
がん治療を受ける患者さんの皮膚感染の要因として、全身的要因、局所的要因などが挙げられます。
■全身的要因
年齢や基礎疾患などはもちろんのこと、がん治療に伴う副腎皮質ステロイド薬の長期投与、抗菌薬の投与に伴う菌交代現象、抗がん剤治療に伴う骨髄抑制などによる免疫能の低下が挙げられます。
■局所的要因
分子標的治療薬の皮膚障害に伴う皮膚乾燥症やひび割れ・爪囲炎などの爪甲周囲の炎症、皮膚障害に対して長期にステロイド外用薬を使用している場合などが挙げられます。
■その他
多汗、不衛生な環境や患者さんのスキンケア不足、それに伴う掻破も要因となっています。
分子標的治療薬による皮膚障害で最も頻度が高い、ざ瘡様皮疹が悪化して掻痒感や疼痛が生じることで、掻破による二次感染を伴うこともあります。
また、皮膚乾燥症では数カ月にわたり症状が持続し、魚鱗様のひび割れや指尖部・踵の亀裂が生じるため、二次感染のリスクが高まります。
皮膚感染を起こす3つの病原微生物
皮膚感染症の病原微生物としては、細菌、真菌、ウイルスなどが挙げられます(表)。
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