経腸栄養剤の選択の仕方
- 公開日: 2017/4/23
経腸栄養剤の種類と特徴
経腸栄養法(enteral nutrition:EN)に用いる製品には、医薬品と食品があります。経腸栄養剤は、原材料から天然濃厚流動食と人工濃厚流動食に分けられますが、ほとんどが人工濃厚流動食です。
人工濃厚流動食は、その組成から成分栄養剤(elemental diet)、消化態栄養剤(oligomeric formula)、半消化態栄養剤(polymeric formula)の3つに分類されます(表1)。
表1 経腸栄養剤の種類と特徴
病態別経腸栄養剤の選択の仕方
原疾患の病態に合わせて経腸栄養剤を適切に選択することで、栄養状態と病態の改善が期待できます。
下痢の場合
感染性腸炎や偽膜性腸炎などの感染症、経腸栄養剤の投与速度が適切かどうかの確認が必要ですが、経腸栄養剤が原因となることもあります。
栄養剤に食物繊維が含まれていない、浸透圧が高いといった場合は、食物繊維(グァーガム分解物:サンファイバー®など)を付加するほか、高浸透圧栄養剤の変更が必要です。また、成分栄養剤は低残渣であることから、しばしば下痢の時に用いられます。
乳糖不耐症がある場合は、乳糖フリーの栄養剤(アイソカル®など)を選択します。小腸絨毛の発育や腸内細菌叢の改善には、整腸剤・食物繊維・オリゴ糖などを含む製品(GFO®、Gfine®など)が有効と言われています。