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【連載】事例でみる術後リハビリテーション こんなときどうする?

痛みを訴え、術後のリハビリが進まない患者さん

  • 公開日: 2017/6/5

▼術前・術後の看護について、まとめて読むならコチラ
術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防など)


【事例】
痛みを訴え、術後のリハビリが進まない患者さん

 75歳男性。膵頭部がんと診断され膵頭十二指腸切除術施行予定の患者さん。術前ADLは自立、BMI18.5。呼吸機能検査で努力性肺活量86%、1秒率68%。喫煙歴は1日20本×50年。

 術前オリエンテーションとして術後の創部を保護しながら咳や深呼吸を行う方法、疼痛が生じにくい起き上がり方法に関して説明し練習を行った。

 術後翌日、創部痛はNRSで5。離床を行い起き上がる際に創部痛が増強し疼痛はNRSで8となり患者さんからも「もうやめてくれ」「こんなに痛い思いをするなら動きたくない」と言われてしまう。術後2日目もまだ創部痛の訴えが強く離床に対し強い拒否。このような状態が5日続いてしまった。離床が遅れてしまったため、離床を促進するためにミニカンファレンスを行った。ここで挙がった提案事項は以下の3点であった。

①離床する時間を決めて、それに合わせて疼痛コントロールを行う。
②いきなり離床するのではなく、コミュニケーションを図りながら少し四肢を他動的に動かし、疼痛に対する不安を軽減させる。
③実際の離床時、起き上がりなどは過介助で行い、疼痛を出さないように配慮する。

 この3点を注意して行った結果、術後7日目には端座位可能になった。術後15日目には病棟内歩行が自立し、術後21日目に自宅退院となった。


事例について考えてみよう!

ここが問題!

離床時に強い痛みを感じたことで、リハビリを拒否するようになってしまった

 術前にオリエンテーションを確実に行い、創部に負担のかからないような離床方法を指導し練習しても、実際には多くの患者さんで術後は疼痛が強く動けないということがあります。患者さんの立場で考えると、いくら術前に説明があっても大変な手術がようやく終わった術後当日は、疲労感や痛みで頭がいっぱいになってしまいます。そのまま翌日を迎えてしまい、まだ疲労感や疼痛が残っている状態で「寝たきりはよくないから動きましょう」と言われても「本当に私の気持ちがわかっているのかな?」と思うはずです。そのような状況で離床時に疼痛が増強したり、疲労感が増大するといったつらい思いをしてしまったら「もうやめてくれ」と思ってしまっても仕方がありません。

解決のヒント

痛みを軽減できるようなアプローチを行う

 術後の離床を円滑に行うために、事例で紹介した3点を意識して行うとよいでしょう。

①離床する時間を決めて、それに合わせて疼痛コントロールと行う。
②いきなり離床するのではなく、コミュニケーションを図りながら少し四肢を他動的に動かし、疼痛に対する不安を軽減させる。
③実際の離床時、起き上がりなどは過介助で行い、疼痛を出さないように配慮する。

 ①に関しては、事前に離床する時間をあらかじめ決めておき、その時間に合わせて疼痛コントロールを行うと、実際に動く場面で疼痛が軽減しているため離床しやすくなります。初回離床をリハビリ職種などが行う場合、事前に打ち合わせをしておき開始時間を決めておくとよいでしょう。また、このようなやりとりは他の職種と連携を図ることになり、お互いに顔が見える関係になることからもよい効果が生まれます。

 ②に関しては、いきなり動くのではなく軽くマッサージなどを行うと患者さんは少し気持ちが楽になります。少し雑談なども行い間をとり明るい雰囲気を作ることで患者さんの気持ちがやはり楽になります。

 ③に関しては、初回に痛い思いをさせてしまい患者さんに動きたくないと思わせてしまうくらいであれば、初回は過介助で構いませんので疼痛を増大させずに起き上がりや立ち上がりなどができると思わせることが重要です。介助量は、次第に少なくしていけばよいのです。

まとめ

 このように少し工夫をするだけで、痛みが強くてなかなかリハビリが進まない患者さんに対してもリハビリが進むようになるでしょう。多職種や患者さんと密にコミュニケーションを図っていき、患者さんが安心できるような環境作りが重要であると思います。

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