【連載】事例でみる術後リハビリテーション こんなときどうする?
【術後リハ】早期離床をスムーズに行うことが難しい患者さん
- 公開日: 2017/6/8
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術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防など)
【事例】
早期離床をスムーズに行うことが難しい患者さん
70歳女性。胃がんと診断され腹腔鏡下幽門側胃切除術施行予定の患者さん。既往にパーキンソン病あり。術前ADLは歩行器歩行レベル。BMI20.5。呼吸機能検査で努力性肺活量83%、1秒率88%。喫煙歴なし。
術前オリエンテーションとして術後の創部を保護しながら咳や深呼吸を行う方法、疼痛が生じにくい起き上がり方法に関して説明し練習を行った。
術後翌日、早期離床を試みたが術後の影響もあり創部痛が強いことに加え既往のパーキンソン病が影響し介助量が多く座位保持が困難であった。翌日以降も離床を試みたがやはり介助量が多く早期離床がスムーズに行うことが難しかった。
早期離床が図れていないことを主治医に相談し、術後5日目に理学療法がオーダーされ開始となった。理学療法が開始し少しずつではあるが動きやすくなり、術後8日目に端座位保持ができるようになった。また、腹筋などを使用し努力的に起き上がる習慣であった(術前このように起き上がっていた)ことに気付き起き上がりパターンを少し変える練習を行い、起き上がりも自立になった。
以後、歩行器歩行なども開始し術後25日目に概ね入院前ADLに達し、術後35日目に自宅退院となった。