看護師によるトルリシティ導入時の患者指導ー専用ペン「アテオス」は、患者さんにも看護師にもシンプルな注入器ー【PR】
- 公開日: 2017/12/15
自己注射が初めての患者さんはどなたも、「自分にできるのか?」という不安を持っている。
でも、アテオスの練習用見本に触れ、操作を試していただくと、簡単だとわかって患者さんの緊張がほぐれる。
当クリニックでは2型糖尿病患者さんに注射療法の導入を行っており、私たち看護師は日常的に自己注射が初めてという患者さんの指導にあたっています。こうした患者さんと接して感じるのは、「注射は先生や看護師に行ってもらうもの。本当に自分にできるのか?」という不安を持っておられるということです。自己注射が初めての患者さんにとって、自分で針を取り付け、空打ちをして、単位を合わせて投与するという一連の操作は体験したことのない“未知の世界”ですから、不安を感じても無理はありません。
これまでの経験から、自己注射導入時の指導では、「針の取り付け」が一番の難関と感じています。操作を一通り説明して、「では、実際に注射に触れてみましょう」と促しても、最初の動作が針の取り付けなので患者さんが緊張してしまい、指導が先に進まなくなってしまったこともありました。患者さんもドキドキしていたと思いますが、看護師もドキドキです。針が怖くて採血しているところも見られないというような患者さんが自分で針を扱うというのは、私たちが想像する以上に抵抗があるのだと思います。
その点、トルリシティの専用ペン「アテオス」は、もとから本体に針が装着されていて、取り付け・取り外しのいずれも不要なので(図)、先ほどの“ドキドキ”がなくなります。また、アテオスの練習用見本に触れ、操作を試していただくと、簡単だということがわかり、患者さんの緊張がほぐれます。これまでにいろいろな種類の自己注射を指導してきましたが、最初に触れたときから患者さんが抵抗なく受け入れるというのは、アテオスで初めて経験しました。
ただ、なかには針が見えないために、「針がいつ刺されるのかわからなくて不安」という患者さんもおられます。こうした方には、薬液の注入が始まるときと終わるときに「カチッ」という音がすること、音が聞こえなくても10秒数えれば注入が終わっていることをしっかり説明しています。
アテオスは操作が簡単なので、患者さんからの質問も少なく、短時間で指導が可能。患者さんにも看護師にもシンプルな注入器。
当クリニックでのインスリン導入では、最初に種田先生が、なぜ血糖コントロールが悪くなってきたのか、なぜインスリンが必要なのかを説明なさいます。患者さんが導入を了解なさったら、私たち看護師が引き継いで自己注射の指導を行います。まず、注射の方法を指導して、その後、治療継続をサポートするために家族構成や日常生活の様子などをお聞きするのですが、全体で45分から1時間程度かかります。そのため、誰かが指導にあたっているときは、看護師が一人減った状態で他の患者さんの診察を行わなければなりません。患者さんが多くて混みあっているときは、やはり大変です。
アテオスの指導では、トルリシティの薬効を説明した後、使い方を解説したパンフレットを広げ、看護師が練習用見本を使って「キャップをはずし、底面を皮膚にあててからロックを解除して、注入ボタンをおす」という3つのステップを実演します。その後、実際に患者さんに試していただきますが、操作が簡単なので質問されることはほとんどなく、使い方の指導だけなら15分程度、指導全体の所要時間はインスリン導入の半分程度です。
指導時間の短縮は看護師にとって助かることですが、同時に、患者さんの理解や操作の習得が早いのは、投与ミスを防ぐというリスクマネジメントにもつながります。
指導に慣れるまでは、注射の方法を教えることに集中しがち。保管や廃棄の方法、副作用についてもきちんとお話しすることが大切。
自己注射の指導に慣れた看護師でも、新しい薬剤の指導は緊張します。緊張すると、自己注射の方法を教えることに一生懸命になってしまい、それ以外のことに気が回らなくなります。でも、例えば薬剤の保管や廃棄の方法、投与を忘れたときの対応などをお伝えしないと、患者さんがご自宅で困ってしまいます。
もう1つ大切なことは、患者さんに注射を受け入れてもらおうとして良いことばかりを話すのではなく、副作用など患者さんにとってのマイナス面もきちんとお話しすることです。アテオスを使った後、たまに出血することがあるので、注射後の出血を気になさる方には事前にお伝えしています。また、GLP-1受容体作動薬は投与初期に吐き気などの胃腸症状があらわれることがあります。これをきちんと説明していないと、「なんだか胃がムカムカするのですが・・・」というお電話をいただくことになってしまいます。副作用については種田先生もご説明なさいますが、看護師からも「むかつきが出るかもしれませんが、症状は次第にやわらぎますよ」とお話ししています。副作用も含めて患者さんが腑に落ちることが、何より大事なことだと思います。
成功体験の積み重ねこそが、患者さんにとって望ましい治療。
トルリシティはそれを可能にする薬剤。
自己注射は、医師や看護師が一方的に勧めても上手くいきません。もちろん、血糖値が高い状態が続くことのリスクや治療強化のメリットを説明しますが、無理強いはしません。でも、繰り返しお話ししていると、「仕方ない、そろそろやってみるか」といった感じで、患者さん自身が変わってきます。おそらく、患者さんの中に、「このままではまずい」という気持ちが芽生えているのでしょう。そのタイミングで、「始めたらやめられない」という印象を与えずに勧めることがポイントです。「もし、合わなかったら他の治療を考えましょう」とか、「血糖コントロールがよくなったら、やめられることもありますよ」といった声かけでハードルを下げることが、よい後押しになります。
自己注射が自分でできたこと、そして何よりもHbA1cが下がることが患者さんの喜びであり、こうした「成功体験」が治療モチベーションにつながります。何人かの患者さんから、「もっと早くトルリシティに出会いたかった」という言葉をいただいたのは印象深い経験です。