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【連載】フィジカルアセスメント症状別編

動悸のアセスメント

  • 公開日: 2017/12/26

STEP1 まずは、これを考えよう

主観的な訴えをアセスメントする

 患者さんに現れる症状には、患者さん自身にしかわからない主観的なものがあります。動悸もその一つで、患者さんは多くの場合、「胸がドキドキする」や「ときどき胸が(心臓が)ドクンとする」などという表現をします。

 胸がドキドキするというのは、例えば運動をしたときや、緊張したり興奮したときなどには、誰でも体験することです。

 しかし、こういう場合は原因が自覚できるので、胸がドキドキしてもバクバクしても異常とは感じません。ところが、このような理由がないのに胸がドキドキしたりドクンとしたら、どうでしょう。「あれ? おかしいな」となんだかいやな感じがするのではないでしょうか。

 心臓は年中無休で働いていますが、私たちは心臓の存在もその働きも意識することなくすごしています。しかし、心拍数が変化するとか、拍動のリズムが乱れたり強くなったりすると、普段はまったく意識しない心臓の拍動を実感します。動悸とは、このように普段は意識しない心臓の拍動を感じ、しかもそれを不快に感じている状態です。

 動悸の原因は、心臓が起因しているのか、心臓以外の原因で起きているのかに大別できます。心臓が原因で起きる動悸には、不整脈(心臓弁膜症などさまざまな心疾患による)・心不全・心筋炎・肥大型心筋症といった心疾患などがあります。

 そして、心臓以外の原因で起きる動悸には、貧血・発熱・甲状腺機能亢進症・慢性肺疾患・糖尿病などの疾患や、不安、ストレスなどの精神的要因などがあります。また、薬の副作用として生じる場合もありますし、煙草を吸ったときや、酒の飲み過ぎ、コーヒーなどカフェインを多く含んだ飲み物を飲んだときにも起こり得ます。

 では、どうしてこうした原因が動悸の引き金になるのでしょうか。動悸の原因はこれとこれ、というようなマニュアル的な覚え方ではなく、「なぜ?」にも目を向けてみましょう。

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