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【連載】どの病棟でも押さえたい糖尿病の薬

DPP-4阻害薬|経口血糖降下薬

  • 公開日: 2018/9/30

 糖尿病薬には作用が異なるさまざまなタイプの経口血糖降下薬があり、治療の主体となっています。看護の現場では、他の病気の治療のために入院した糖尿病の患者さんが、どのような糖尿病薬を使っているかを把握することは大切です。薬のタイプごとに異なる作用の仕組みや副作用など、糖尿病薬が変更される際の看護に役立つ知識を整理します。


主な薬

●シタグリプチン(ジャヌビア®、グラクティブ®
●ビルダグリプチン(エクア®
●アログリプチン(ネシーナ®
●リナグリプチン(トラゼンタ®
●テネリグリプチン(テネリア®
●アナグリプチン(スイニー®
●サキサグリプチン(オングリザ®)など多数

週1回製剤
●トレラグリプチン(ザファテック®
●オマリグリプチン(マリゼブ®

作用・特徴:インスリンを分泌できる時間を長くする

 腸管に存在する細胞にK細胞、L細胞という細胞があります。これらはそれぞれGIP、GLP-1というインクレチンと呼ばれる種類のホルモンを分泌します。インクレチンは身体のさまざまな部位に作用し、その1つに、膵臓のβ細胞に作用しインスリンを分泌させる働きがあります。

 インクレチンは、食事を摂取すると分泌され、たった数秒間で血液中からなくなってしまいます。これはDPP-4という酵素が存在するためで、この酵素の働きによってインクレチンはその作用を失ってしまうのです。DPP-4阻害薬は、DPP-4のこの働きを阻害することによって、インクレチンの作用を長持ちさせます(図)。

DPP-4阻害薬の働き

 食事を摂取した際に作用が発揮されるので、食事を摂らなければ血糖が下がりすぎることはありません。また、1日に1~2回内服することが多いですが、最近ではトレラグリプチン(ザファテック®)やオマリグリプチン(マリゼブ®)など、1週間に1回のみの内服で効果が持続する製剤もあります。

使用患者さん:発症早期から幅広い患者層で使用されている

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