播種性血管内凝固症候群(DIC)の患者さんの採血ってどうする?
- 公開日: 2019/3/20
Q.播種性血管内凝固症候群(DIC)の患者さんの採血時の注意点を教えてください。
A.DICの患者さんの採血の注意点を考える上でまず、DICという病態の特徴を知ることが重要です。そこから見えてくる注意点を考えていきましょう。
DICってどんな状態?
DICは、白血病、敗血症、固形がんなどの基礎疾患に合併して起こり、血管内凝固が活性化され、全身の細小血管に血栓が多発します。その結果として、多臓器の障害が起こり、また止血に必要な血小板・凝固因子が消費されて出血傾向を呈する症候群です。症状は、臓器症状と出血症状に分けられます。
臓器症状は、多発性の微小血栓による循環障害によって主要臓器の血流が著しく低下し、腎臓では乏尿や無尿、肺では呼吸困難、心血管障害ではショック、中枢神経では意識障害などが起こります。出血症状には、紫斑(皮下に拡がる青黒いアザ)、点状出血(皮下に生じる2mm程度の小さな出血)、口腔粘膜や歯肉にみられる浸出性出血(粘膜から染み出すような出血)、消化管出血、血尿などがあります。
急速に進行するDICは致死率が高く、早期発見や早期治療が必要になります。そのため、看護師は疾患を理解し、早期治療へつなげられるよう正確なデータを出すための確実な採血手技や患者ケアが必要となってきます。