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【連載】Nursing 最前線 ―看護の現場をリポート―

看護師自らが積極的に考え行動してよりよい看護と働きやすい職場を追求<日本大学病院>【PR】

  • 公開日: 2019/4/30
  • # 注目ピックアップ
  • # 看護師インタビュー

 2014年の新築移転に伴い、旧駿河台日本大学病院(1926年開院)から生まれ変わった日本大学病院。5つのセンター(循環器病・消化器病・アイ・整形外科・総合診療)で高度先進医療を提供すると共に、救急救命センターやちよだこども救急室が地域の救急医療に貢献しています。新たな風が感じられる同院では、看護部もさまざまな試みを展開。その一つ「看護の質向上委員会」による取り組みをご紹介します。


看護職の声を受け止めて看護の質に反映させる

 「看護の質向上委員会(以下、向上委員会)」は、2018年4月に誕生しました。

 「日々の業務で感じている閉塞感を少しでも解消し、看護の意義を確認できるような、看護職による看護職のための組織をと考えました。看護の質にかかわることすべてに取り組む方向で、なかでも、『看護職の満足度を高める職場づくり』と『自分たちの行っている看護の見つめ直し』を大きな目的としています」と話すのは、向上委員会の発案者である木澤晃代看護部長。委員会の会議は、月に1回業務内の30分間で行われています。
 
質向上委員会の様子
月に1回、17名のメンバーが会して話し合いを行う
 
 向上委員会が最初に取り組んだのは「看護部職員のつぶやき投稿箱」の設置です。

 「言葉を口にするのは難しくても、投書なら動きやすい。何かのきっかけになるのではと設けました」

看護部職員のつぶやき投稿箱の写真
看護職員のロッカー室のドアに設置された「看護部職員のつぶやき投稿箱」

 委員の一人である小島由水香さんはこう話します。月に1回投稿箱を開封し、意見や提案は委員会の場で検討、個人的なことは看護部長や所属長が対処します。「開封は限られたメンバーで行い秘匿性を保持しています。当初はネガティブな声も多かったのですが、現在では前向きな提案が増え、さまざまな改善に結びついています」と小島さん。例えば、病棟看護師の投稿により2018年9月から面会開始時間が12時に早められました。日々患者さんやご家族の様子に目を配っている看護職ならではの提案が、病院全体を動かすことになったのです。現在は、新たな蓄尿容器導入の希望を受け、希望病棟で試用を始めています。川合知香子さんは「2カ月に1回投書の内容と回答をまとめた『つぶやき通信』を配布しています。自分の声がきちんと届くツールとして理解してもらうことで、投稿箱がより活用されるのでは」と委員として期待を寄せています。
 
向上委員会のメンバーの写真
お話をうかがった向上委員会のメンバーたち。左から、川合知香子さん、小島由水香さん、熊井久美子さん

木澤晃代看護部長の写真
木澤晃代看護部長
 

病院への来訪者と直に触れ合う「看護フェア」を実施

 向上委員会では、病院を利用する多くの人たちに看護をより理解してもらうための取り組みとして「看護フェア」を行っています。第1回は2018年5月。病院の玄関ホールに展示コーナーを設置し、健康相談や血圧・体組成測定などを実施しました。外来患者さんやご家族、見舞客など100名ほどが立ち寄り、看護職と触れ合う機会となりました。ご家族からは「看護師さんとじっくり話ができた」「自分自身の健康の振り返りになった」などの声が聞かれた一方、「患者さんが喜んでいた」と医師からもよい評価が得られ、10月の第2回開催に結びつきました。
 
看護フェアの様子

看護フェアの様子
2018年10月の第2回の看護フェアの様子。第1回よりも多いおよそ130名の参加があった

 この運営に携わった熊井久美子さんは、「病棟看護師が外来患者さんと触れ合う貴重な機会となりました。退院した患者さんが日常生活に戻った様子を見ることは、看護職にとって喜びであり、自らの看護に対する自信にもなります」と手応えを感じているようでした。
 

“評価” を体感することが明日への看護につながる

 看護職のモチベーションを高める催しとしては「グッド・ナーシング・アワード」があります。初年度は、患者さんの意見箱の集計をもとに「技術がすばらしいで賞」ほか、チームワークや社会復帰支援に対する計3賞を設けて表彰。2019年度からは、毎月部署ごとに看護自慢を発表し、それを参考に院内職員らが投票、表彰者を決めていく予定です。
 
表彰式の様子
病院全体の職員の前で行われた「グッド・ナーシング・アワード」の表彰式

 「普段行っている看護業務に表彰というかたちでスポットをあてることが可視化につながります。日常では実感しにくい評価を目にすることで、自分たちが行っている看護に対して誇りがもてるようになる。それが向上委員会の存在意義の一つにもつながるのだと思います」と木澤看護部長。さらに「委員会が誕生したことで、看護の質には、働きやすさや仕事に対する誇り・自信が含まれることがわかり、みんなの心がほぐれてきているように思います」と熊井さん。看護について新たな目を開いた同院看護職の今後の取り組みに注目せずにはいられません。
 
向上委員会のメンバーの写真
向上委員会のメンバーたち

DATA

日本大学病院
東京都千代田区神田駿河台1-6
開設●2014年
病床数●320床
職員数●380名
看護配置●一般病棟7:1
災害拠点病院/エイズ拠点病院/東京DMAT指定医療機関 ほか
日本大学病院の写真


ニプロ株式会社発行:看護情報誌「ティアラ」2019年2月(no.122)より転載

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