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【連載】慢性心不全患者のセルフマネジメント支援

【事例1】初めて心不全で入院した患者の看護 ~患者の望む生活を支えるセルフケア支援~

  • 公開日: 2020/1/9

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事例紹介

 Aさん、80歳代、女性

生活背景
 独居、夫とは死別、子供とは疎遠で連絡を取っていない(兄弟とも同様)

既往歴
 高血圧症

現病歴
 1月某日起床後、朝6時ごろから胸苦しさ・呼吸困難を自覚し、隣人に依頼し救急要請。救急車内で酸素カヌラ2L/分投与受け呼吸困難感は改善

来院時バイタルサイン
 血圧186/116mmHg、心拍数188回/分、SpO295%(O2カヌラ2L/分)

身体所見
 意識清明、皮膚湿潤あり、末梢冷感あり、下腿浮腫あり

胸部X線写真
 心胸郭比63%、胸水なし、肺血管陰影増強あり(図1)

図1 入院時の胸部X線写真
zu1

心電図所見
 心房細動(atrial fibrillation:Af)、心拍数180 ~190回/分(図2)

図2 入院時の心電図所見 
zu2

血液検査結果
kensa

医師の問診
・今までこのような症状を体験したことはない
・1週間前から顔のむくみは自覚していた
・高血圧で近医に受診していたが、最近薬は飲んでいなかった

心エコー検査(後日)
 左室駆出率(EF):39%、大動脈弁逆流Ⅰ度、LVDd/Ds:51/42mm、僧帽弁逆流Ⅱ度、左房径(LAD):39mm、三尖弁逆流Ⅰ度、Mild AS〔弁口面積(AVA)1.12cm2、最大流速(Vmax)2.48m/秒〕

 上記の検査結果から、心不全増悪で緊急入院となる。


事例アセスメント

 事例をアセスメントするときは、「どのような病態の患者さんか」「なぜ心不全が増悪したのか」を、得られている情報から推論していくことが重要となります。

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