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「日本看護協会」が厚労大臣・内閣府特命担当大臣に新型コロナウイルス感染症対策の要望書を提出

  • 公開日: 2020/4/3

公益社団法人日本看護協会(会長:福井トシ子、会員 74 万人)は3月30日、厚生労働大臣、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、厚労省医政局、老健局、社会・援護局、対策推進本部に新型コロナウイルス感染症対策に関する要望書を提出しました。

厚生労働大臣への要望事項

■医療機関における看護職員の確保策の推進

 医療機関では、看護職員の確保が厳しい状態になっています。

・2月28日厚生労働省より「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての看護職員の確保について」が発出されました。これによって、小中高校、幼稚園の子供を持つ看護職員が出勤できない状態が予測されましたが、各看護職員が親族などの協力を得ることで預け先を確保していました。しかし、休校の長期化によって、子どもの心理的負担や預け先が見つからないという事態が生じています。
 ・新型コロナウイルスに感染した医療機関では、濃厚接触の看護職員の出勤停止のほか、風評以外による看護職員の退職という事案も発生しています。
 ・一般医療機関でPCR検査を実施するにあたり、外来に受診患者が急増した地域もあり、その対応に外来の看護職員が疲弊しています。そのため、「感染の疑いがある患者」へ対応するための看護職員が必要となっています。

 以上の状況から、地域に必要な医療提供等を継続するために、代替職員の確保に必要な派遣調整の取り組みの実施についての要望が提出されました。

■医療機関、介護施設、訪問看護事業所に対する防護関連用具の確保、配付

 医療・介護の現場では、衛生資材の確保が厳しい状態にあります。

 ・医療機関・介護施設では、各種衛生材料(マスク、アルコール等消毒薬、医療用グローブ、ガーゼ、防護関連用具等)の確保が困難になっており、適切な感染防止、感染拡大予防に取り組むことが難しい状況にあります。
 ・訪問看護事業所では、喀痰吸引時等に必須となるマスク、チューブ拭払に使われるアルコール綿も不足しており、通常の感染防止手順を守れず、安全なケアが提供できにくくなっています。
 ・衛生材料の深刻な不足によって、患者への感染防止のみならず、看護職員の感染防止も難しい状態です。

 以上の状況から、衛生材料の確保(特に、ガウンやゴーグル等の防護関連用具の確保)と、衛生材料が必要な医療機関、介護施設、訪問看護事業所への確実な配付について、早急な対応を実施する要望が提出されました。

■訪問看護事業所における事務手続き等の柔軟な対応

 訪問看護事業所では、事業所変更等に付随する事務手続きの簡略化が求められています。

 ・通所系サービス等が休止になる地域があり、訪問看護の需要が高まっています。しかし、訪問看護事業所においても、子どもの休校などにより出勤できない看護職員が存在します。
 ・訪問看護事業所等では、急な欠員補充や増員が困難です。さらに小規模事業所も多数あるため、今後、感染者が1人でも発生した場合は、事業所の休止も想定されます。
 ・保険制度における訪問看護は、医師からの指示書に基づきサービスを提供しています。事業所の休止などによって、他の事業所からのサービスに変更する必要が生じた場合、これらの手続き等の煩雑さを軽減する必要があります。

 以上の状況から、訪問看護事業所等の変更に関わる事務手続きを簡略化できるなどの柔軟な対応を求める要望が提出されました。

内閣府特命担当大臣(経済財政政策)への要望事項

 学校で医療的ケアなどに関わる看護師の処遇が問題になっています。

 ・小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等で、医療的ケア児に関わる学校配置の看護師等は、大多数が非常勤雇用となっています。
 ・2月28日厚生労働省より発出の「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての看護職員の確保について」によって、医療的ケア児に関わる学校配置の看護師等が急遽、無給の休暇取得を余儀なくされています。

 以上の状況から、下記の2点の要望が提出されました。
 ①今回の臨時休校で無給となった、学校配置の看護師等に対する休業補償の実施
 ②学校配置の看護師等の、処遇の実態把握と、正規職員として配置検討・処遇改善

内閣府特命担当大臣(経済財政政策)、医政局、老健局、社会・援護局、厚労省対策推進本部への要望事項

 上記の現状を踏まえ、下記5点の要望が提出されました。

■医療機関・介護施設・訪問看護事業所等に対する衛生材料の確実な供給

 各施設において衛生材料が不足しており、感染予防・感染拡大防止のために、その確保と安定的供給を求めます。

■医療的ケア児を養育する家庭等に対する衛生材料等の確実な供給

 医療的ケア児は、重症度や疾病特性に応じて利用する制度が医療、福祉、難病等の複数にまたがり、衛生材料のニーズ把握などに見落としが生じやすい状況です。この状況に対して、都道府県及び市町村等と連携するなどして、確実に物資が届くよう体制の構築を求めます。

■地域における感染管理に関する専門性の高い看護師の活用による体制整備の強化

 介護施設等では、確実な感染予防・感染拡大防止のための対策が不可欠になります。そのため、介護施設等で感染対策が適切に行われているかを都道府県が把握し、地域内の感染管理に関する専門性の高い看護師等と連携できるよう、体制整備を進める必要があります。これについて、国からの働きかけや財政支援を実施することを求めます。

■介護施設・訪問看護事業所等における看護職員の確保および連携体制の推進

 学校等の臨時休校に伴い、子どもの預け先確保ができず、出勤できない看護職員が多く存在します。特に小規模事業所の多い在宅医療・介護分野では、職員の確保が困難なため、看護職員の確保が喫緊の課題です。在宅・介護分野における看護職確保の推進策等を、早急に講じることを求めます。

■訪問看護事業所の事業存続のための財政的支援と ICT 導入推進

 訪問看護事業所では、濃厚接触による自宅待機者や感染者が1人でも発生した場合、事業所の休止や、小規模事業所では事業存続が危ぶまれる状況になります。これに対し、訪問事業所の維持・存続のための財政的支援を求めます。

 また、通所系サービスの休止によって訪問看護が増加している地域があり、サービス変更に伴う事務処理と負担が短期間に集中して増大しています。ICTの導入・活用によって、事務処理の簡略化が図れるため、訪問看護事業所に早急にICT導入を推進する財政支援を講じることを求めます。

 以上の要望が、提出されました。現状が改善することを心から願います。

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