第4期がん対策推進基本計画決定
- 公開日: 2023/3/31
がんの克服をめざして
3月28日、がん対策目標を示した第4期がん対策推進基本計画(以下、第4期基本計画)が閣議決定された。
第4期基本計画では、全ての国民ががんに関する正しい知識を持ち、がんを予防すること、適切な医療や支援を受けて、尊厳をもって暮らしていくことができるがん対策を推進すること、こうしたがん対策を全ての国民とともに進めていくことが重要であるという考えから、全体目標を「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す」としている。
全体目標の下には、「がん予防」「がん医療」「がんとの共生」の3本柱が据えられており、それぞれの現状・課題、取り組むべき施策を定めている。3本柱の概要は次のとおり。
1.がん予防
1)がんの1次予防
①生活習慣について
②感染症対策について
2)がんの2次予防(がん検診)
①受診率向上対策について
②がん検診の精度管理等について
③科学的根拠に基づくがん検診の実施について
2.がん治療
1)がん医療提供体制等
①医療提供体制の均てん化
②がんゲノム医療について・集約化について
③手術療法・放射線療法・薬物療法について
④チーム医療の推進について
⑤がんのリハビリテーションについて
⑥支持療法の推進について」「がんとの共生」分野の分野別目標がんになっても安心して生活し、尊厳を持って生きることのできる地域共生社会を実現することで、全てのがん患者及びその家族等の療養生活の質の向上を目指す
⑦がんと診断された時からの緩和ケアの推進について
⑧妊孕性温存療法について
2)希少がん及び難治性がん対策
3)小児がん及びAYA世代のがん対策
4)高齢者のがん対策
5)新規医薬品、医療機器及び医療技術の速やかな医療実装
3.がんとの共生
1)相談支援及び情報提供
①相談支援について
②情報提供について
2)社会連携に基づく緩和ケア等のがん対策・患者支援
3)がん患者等の社会的な問題への対策(サバイバーシップ支援)
①就労支援について
②アピアランスケアについて
③がん診断後の自殺対策について
④その他の社会的な問題について
4)ライフステージに応じた療養環境への支援
①小児・AYA世代について
②高齢者について
また、3本柱を支える基盤として、「全ゲノム解析等の新たな技術を含む更なるがん研究の推進」「人材育成の強化」「がん教育及びがんに関する知識の普及啓発」「がん登録の利活用の推進」「患者・市参画の推進」「デジタル化の推進」の6つが挙げられている。
第4期基本計画の実行期間は2028年度までを目安としているが、必要があると認められた場合は、期間内でも変更される可能性がある。
●参考文献
厚生労働省:第4期がん対策推進基本計画.(2023年3月30日閲覧)
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001077913.pdf