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【連載】スケール・評価基準を使いこなそう!

SIRS(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)診断基準

  • 公開日: 2022/2/11

SIRS診断基準は何を判断するもの?

 SIRS診断基準は、全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome:SIRS)の診断を行うためのスケールです。

 SIRSは、1991年に敗血症の定義を明確化するためにアメリカで提唱された概念であり、感染、外傷、熱傷、膵炎、手術などの侵襲によって炎症性サイトカインが過剰に産生され、全身に強い炎症性反応が生じる状態のことを指します。つまり、SIRSはさまざまな原因によって高サイトカイン血症に陥っている状態であり、敗血症は感染症によるSIRSであるとされています。

 SIRSは早急に適切な治療を行わないと多臓器不全などを引き起こし、救命が困難になる可能性もある病態です。そのため、高サイトカイン血症となる可能性がある患者さんに対しては、SIRS診断基準を用いてこまめに病状を把握して、適切な対応を講じることが必要とされています。

SIRS診断基準はこう使う!

 SIRS診断基準では、下記のうち、2つ以上該当する場合にSIRSと診断することとしています。

・体温:>38℃または<36℃
・心拍数:>90回/分
・呼吸数:>20回/分またはPaCO2<32mmHg
・白血球数:>12000/mm3または<4000/mm3または未熟顆粒球>10%

 これらの数値はいずれもバイタルサインチェックや血液検査で簡単に把握できるため、迅速にSIRSに陥っているか否かを評価することが可能です。一方で、このスケールを元に評価を行うと、重篤でない炎症が生じているケースでもSIRSと診断されることがあります。

 このことから、現在ではより正確に病状を評価するために、重症な感染症の場合は凝固系の異常を示す血小板数や循環系の状態を示す血圧のほか、意識レベルやクレアチニン値を用いて評価を行う「SOFAスコア」が用いられることもあります。

SIRS診断基準を看護に活かす!

 上述したように、SIRSは炎症性サイトカインの過剰産生が生じて全身に強い炎症が生じている病態のことです。

 SIRSはさまざまな原因によって引き起こされますが、原因となる疾患や外傷の治療とともに抗炎症作用を持つ薬剤の投与、過剰なサイトカイン除去を目的とした血液浄化療法、呼吸や循環管理などを行っていく必要があります。適切かつ迅速な処置を行わなければ生命の危険が生じるケースも少なくありません。

 SIRSを引き起こす可能性がある患者さんに対しては、バイタルサインチェックや血液検査の結果からSIRSの可能性を評価し、SIRSの判定基準に合致した場合は速やかに医師に報告するようにしましょう。また、すでにSIRSと判定された患者さんはバイタルサインの変化、意識レベル、尿量などをこまめに観察し、注意深く管理を行っていくことが大切です。

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