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【連載】スケール・評価基準を使いこなそう!

膿疱性乾癬(汎発型)の重症度分類基準

  • 公開日: 2025/3/3

膿疱性乾癬(汎発型)の重症度分類基準は何を判断するもの?

 膿疱性乾癬(汎発型)の重症度分類基準は、疾患の進行度を評価し、治療方針の決定に役立てたり、医療費助成の対象となるかを判断したりするために用いられる指標です。

 膿疱性乾癬は乾癬の一種です。発熱や皮膚の潮紅とともに、無菌性の膿疱が出現するのが特徴で、発疹・膿疱が身体の一部(手掌、足底、指先など)にみられる限局型と、発疹・膿疱が全身にあらわれる汎発型に大きく分けられます。

 このうち、汎発型は膿疱性乾癬(汎発型)と呼ばれ、厚生労働省が定める指定難病の1つとされています。粘膜症状や関節炎を伴う場合が多く、循環不全、呼吸不全、腎不全、眼症状(結膜炎、虹彩炎、ぶどう膜炎など)を合併することもあります。

 再発を繰り返し、長期の治療・管理が必要になるため、重症度を評価して医療費助成の対象となるかどうかを判断し、患者さんの負担軽減につなげることが求められます。

膿疱性乾癬(汎発型)の重症度分類基準はこう使う!

 膿疱性乾癬(汎発性)の重症度分類では、皮膚症状と全身症状・検査所見をそれぞれスコア化し、その合計点で軽症、中等症、重症の3段階に分類します(表)。

 皮膚症状については、紅斑、膿疱、浮腫の面積が体表面積に対してどの程度の割合を占めているかで評価を行います。体表面積に対して、紅斑の面積が25%未満であれば軽度、25%以上75%未満で中等度、75%以上では高度とし、膿疱を伴う紅斑および浮腫に関しては、10%未満で軽度、10%以上50%未満で中等度、50%以上で高度としてスコアをつけていきます。全身症状・検査所見は発熱、白血球数、血清CRP、血清アルブミンの4項目を評価してスコア化します。

 皮膚症状と全身症状・検査所見のスコアの合計が0~6点で軽症、7~10点で中等症、11~17点で重症となり、中等症以上が医療費助成の対象と判定されますが、基準を満たさない患者さんでも、高額な医療の継続が必要な場合は医療費助成の対象と認められることがあります。

表 膿疱性乾癬(汎発性)の重症度分類基準(2010年)

膿疱性乾癬(汎発型)の重症度分類基準
厚生労働省:37 膿疱性乾癬(汎発型).(2025年2月7日閲覧) https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/File/037-202404-kijyun.pdfより引用

参考文献

●日本皮膚科学会膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン作成委員会:膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン2014年度版.日本皮膚科学会雑誌 2015:125(12):2211-57.
●厚生労働省:37 膿疱性乾癬(汎発型).(2025年2月7日閲覧) https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/upload_files/File/037-202404-kijyun.pdf

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