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【連載】ICU・HCU看護のQ&A! 皆さんの疑問にお答えします!

気管内チューブの固定方法(テープ・固定具)はどのように選択する?

  • 公開日: 2026/1/28

Q.気管内チューブを固定する際、テープと固定具のどちらを使うかは、どのように選択しているのでしょうか? また、それぞれの観察ポイントや注意点を教えてください。
A.固定方法は、患者さんの全身状態や皮膚の脆弱性、挿管期間などを考慮して選択します。いずれの方法も皮膚トラブルの有無を慎重に観察するとともに、気管内チューブのズレ・屈曲に注意します。

気管内チューブの固定方法の選択ポイント

 気管内チューブの固定方法には、テープによる固定と専用の固定具(チューブホルダー)を用いる方法があります。どちらを選択するかは、患者さんの全身状態、顔面や口唇の皮膚の状態、気管内チューブの固定性や挿管期間などを考慮して決定します。

 一般的に、短期間の挿管や皮膚の脆弱性が認められない患者さんでは、テープ固定が選ばれます。一方、何らかの要因で長期間の挿管が見込まれる場合、皮膚が脆弱でテープによる剥離刺激を避ける必要がある患者さんでは、固定具が選択される傾向にあります。

 ただし、テープは安価であるのに対し、固定具は気管内チューブを安全に保持するために設計された専用構造であるため、コストは高くなります。そのため、挿管されている患者さんが多い施設において、全例で固定具を使用するかどうかは、施設の方針やコスト管理の考え方によっても異なります。

テープ固定

テープ固定のメリット・デメリット

 テープ固定は、顔面や口唇の皮膚の状態、顔面の形状に応じて、貼付位置や角度を柔軟に調整できる点がメリットです。その反面、粘着による皮膚トラブルが起こりやすいこと、長時間の湿潤によってテープが剝がれやすく、固定力が低下しやすいことがデメリットとして挙げられます。さらに、定期的にテープを交換する必要があるため、繰り返しの着脱によって表皮剥離が生じるリスクもあります。

テープ固定の観察ポイント、注意点

 テープ固定を行う際は、まず顔面や口唇の皮膚の状態を観察し、テープを貼付しても問題ない部位を選定します。固定時は、皮膚に過剰な圧迫や引っ張りが生じないようテープの貼り方に注意し、必要に応じて皮膚保護剤の使用も検討します。顔面や口唇の皮膚に発赤・発疹などがみられないか観察を行い、異常があれば別の固定方法への変更を検討します。

 なお、挿管中の患者さんであっても、体位変換やベッドのギャッチアップ、リハビリテーションは実施されます。安静時だけでなく、動作に伴って気管内チューブにズレが生じないかを継続的に確認することが重要です。

固定具

固定具のメリット・デメリット

 固定具は、気管内チューブを確実に固定するために設計された専用の構造をもっており、安定した保持が可能です。テープ固定と比較して、気管内チューブを一定の位置に保ちやすく、ズレが生じるリスクも低減されます。製品によっては、気管内チューブの固定を保持したまま左右へ位置調整できる機能を備えており、口腔内の観察やスムーズな口腔ケアの実施に役立ちます。

 しかし、固定具は形状が変えられないため、患者さんの骨格に合わせた微調整が難しい側面があります。例えば、るい痩の患者さんや小柄な患者さんで頬の面積が少ないケースでは、器具を装着するためのスペースが十分に確保できず、適切な固定が困難な場合がある点に注意が必要です。

固定具の観察ポイント、注意点

 固定具の使用では、頬や口唇、歯肉などに、持続的な圧迫が生じる可能性があります。同一部位への圧迫を回避するとともに、接触部を定期的に観察する必要があるため、気管内チューブの固定位置を左右にスライドさせるなどの工夫が求められます。

 また、口唇部分の固定が安定しているかを確認するにとどまらず、必ず口腔内まで観察し、気管内チューブに屈曲が生じていないかを確認します。

 気管内チューブの固定は、患者さんの気道管理や呼吸管理にかかわる重要な部分です。患者さんの安全を確実に守りながら、チームで統一したケアを提供していくためには、固定方法の選択理由や注意点をスタッフ間で共有することが欠かせません。

 患者さん特有の固定方法や皮膚トラブルがある場合には、看護記録に残すだけでなく、画像データとして保存することも検討しましょう。こうした積み重ねが、患者さん一人ひとりに合わせた、個別性の高いケアの提供につながります。

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