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【連載】山内先生の公開カンファランス

第2回 どうする? 明らかにいつもと様子が違う患者さん

  • 公開日: 2014/4/11
  • 更新日: 2020/3/26

前回、発表した事例に対して、たくさんの方が投票してくれました。


事例
内科病棟に入院中の患者さん。日常生活動作全介助で、自分で訴えることができない状態でした。病室へ行くと、いつもとは様子が違い、なんだかぐったりしている気がしました。いつもはもう少し反応があるように重い、意識レベルと確認したところ、いつもと変わらずJCSでII-10で、声をかければ目を開く状態でした。そのほかのバイタルサインも確認しましたが、異常はありませんでした。 こんな患者さんを発見したとき、あなたならどうする?


>>事例の続きと山内先生の解説はこちら

まずは、投票結果を見ていきましょう。3月19日から31日まで、投票を行い、総投票数は、1385票となりました。

アンケート結果グラフ

ほとんどの人が、「ほかの看護師に相談する」「カルテを見て確認」のどちらかに投票しています。選んだ選択肢は違っていても、コメントを書いてくれた方たちはほとんどの方が、患者さんの情報をさらに集める行動を起こしています。

詳しくコメントをみてみましょう。

みんなの回答

ほかの看護師に相談する

  1. いつもと違うと感じる第6感みたいなものは、必ず何かの前兆だから。私なら、他のナースの目でいつもとの違いを見てもらったり、報告の必要性があるかを相談します。(メリッこさん)
  2. バイタルサインは異常なしとのことですが、血糖値は測定されていな いようですね。軽い低血糖かもしれません。耳朶採血で血糖を計ってみます。次に、水分摂取量はどのくらいなのか。脱水を起こしていないかを看護師と相談し、医師にも報告をします。(ももとおちゃんさん)
  3. 脱水の可能性→in out の確認、脳梗塞・出血の可能性→神経学所見を継続して観察、電解質の異常の可能性→カルテ確認、昼夜逆転生活の可能性→他スタッフに報告連絡相談(るうさん)

カルテを見て確認

  1. とりあえず、カルテみて既往とか、なんか最近変わったこと始まってないかなどの確認して、ほかの看護師にすぐ相談ですね……。その結 果次第で、主治医に報告かな。(アソパソマソさん)
  2. 食事量や排泄の状況などを確認して他の看護師に相談してから医師に連絡する。(黄色いうさぎさん)
  3. まずはカルテを見て食事や水分摂取量、内服状況などを確認する。(みささん)
  4. 脳梗塞とか怖いんで、もう少しアセスメントしでみます……。その 後、ほかの看護師に相談かな?(puuuuさん)
  5. もしかしたら何か見逃している可能性があるため、まずカルテをもう 一度確認してみる。それから自分なりに考えた結果を説明して他看護師に相談してみる。(おなすさん)

その他

  1. Primary surveyに続いて頭の先からつま先まで所見をとり、VBGで酸塩基平衡を 評価、あわせて12誘導心電図をとる。(Lactateさん)
  2. 手を握って、話しかける。言葉はなくても、表情に変化はないか観察します。そういう関わりの後に、他の看護師と対応をします。(靜羅さん)
  3. カルテ確認やスタッフの目でも患者さんの状態を確認してもらいます 。バイタルサインに変動がなければ医師は動かないと思うので、頻回に訪室して状態を確認、さらに予想される疾患や病状変化があったとき には、再度医師へ連絡すると思います。(はるさん)

*この連載は、ナース専科マガジンでも掲載しています。

次ページはこの事例のつづきと、山内先生の解説を掲載します。

山内先生の解説

事例とみなさんのコメントについて解説していきます。

報告・相談前に少しでも情報収集を

みなさんの投票結果やコメントは前ページで紹介しました。まずは、みなさんのコメントについて、考えてみましょう。

事例に対して一番多かったのが「ほかの看護師に相談する」、次が「カルテを見て確認」でした。ライブでそこにいる人と相談する、カルテに書いてある情報と相談する、どちらも現実的な情報を増やすという行動には変わりないといえます。

医師に相談するにしても、ほかの看護師に相談するにしても、相談する内容が一言でも二言でも具体的にしたほうがよいでしょう。

例えば、変だと思う理由をきれいに説明できる状態を白、全く説明できなくて変だと思っている状態を黒とすると、この間にはグレーゾーンがありますよね。事例のような状況であれば、より白っぽいグレーになるように情報収集をする必要があるでしょう。


事例つづき

いつもと様子が違ったので、念のため、先輩看護師に来てもらい、状況を伝えました。また前の勤務帯の看護師に最後に見たときの状況を尋ねました。先輩看護師に見てもらっても、やはりおかしいとのことで、モニターを付けて、医師に連絡。

患者さんは急変時、DNRと救命処置は何もしない方向で家族から同意をもらっていたため、点滴を増やしたり、追加で検査を行ったりはせず、酸素投与の指示をもらい、様子を観察することになりました。翌日、患者さんは亡くなりました。

高齢でしたが、病状も入院時より落ち着いてきており、療養型病院への転院の話も進めていたところでした。だからこそ、いまいち自分の判断に確信がもてなかったのかもしれません。


“異常所見がなかった”も大切な情報

「変だ」と思ったら、患者さんを守るという観点からいっても一人で抱え込まないようにしましょう。この事例の看護師も一人で抱え込まず、先輩に来てもらっています。この行動はよいと思います。

特に新人といえるときには、どんどん先輩に相談して、経験を積んでほしい。「そこまでしなくてもよかった。心配しすぎた」とちょっと恥ずかしい思いをするのも良い経験です。

また、アクションを起こすことも大事。異常所見がなかったことをハズレと思うことはありません。探しもしなかったのとは違います。明らかに異常所見はなかったという事実を捉えたとポジティブに考えてください。明らかに何かおかしいと思わせることが、その段階ではなかったという事実を見つけた。これはものすごく大事なことです。

アセスメントすることとは、○○に原因があるのではないかと仮説を立てて、検証していく作業のこと。このとき、いくつ仮説が思い浮かぶかというのと、その仮説を検証していくときに、どれから検証するかという優先度が適切かどうか、というのは看護師の実力によります。知識と経験を積んでいくことが大切ですね。

次回の事例は…

重症心身障害者の患者さんで、呼吸不全により気管切開、人工呼吸器の導入を行いました。ぜろつきが認められ、分泌物が溜まっていると判断して吸引を行いました。吸引後、人工呼吸器に接続してもSpO2が上がりませんでした。

山内先生の解説を詳しい解説はナース専科マガジン2014年5月号に掲載しています。

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2014/4/11