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【連載】山内先生の公開カンファランス

第3回 どうする? 吸引後にSpO2が上がらない患者さん(その1)

  • 公開日: 2014/5/9

今回の事例は、人工呼吸器管理中の患者さんで、吸引後に人工呼吸器につないでもSpO2が上がらなかった場合、どうアセスメントするのかを会員のみなさんに聞きました。その結果とコメントを紹介します。


事例

重症心身障害者の患者さんで、呼吸不全により気管切開し、人工呼吸管理を導入していました。

ある日、訪室するとぜろつき(痰がからんだような音)が認められ、分泌物が溜まっていると判断して吸引を実施。吸引後、人工呼吸器に接続してもSpO2が上がりませんでした。

→SpO2が上がらない患者さん、あなたならどうする?


>>山内先生の解説を先に読むならこちら

みんなの回答

まずは、投票結果を見ていきましょう。2014年4月2日〜8日まで投票を行い、1521人の会員のみなさんが投票してくれました。今回も50%以上の人が同じ選択肢を選んでいます。

アンケート集計結果グラフ

まず、一番多かったのが「どこかに異常がないか呼吸音を聞くなど、アセスメントする」でした。痰を取り切れていないのではないか、何か他にSpO2が低下するような原因がないかを確かめるといったコメントが多く見られました。

次に多かったのが「人工呼吸器の回路を確認する」でした。こちらもSpO2低下の原因をつきとめるための行動になります。その他の選択肢を選んだ人は7〜2%と少数派に。それでは、それぞれのコメントを見てみましょう。

どこかに異常がないか呼吸音を聞くなど、アセスメントする

  1. 必ずしも吸引をしたからSpO2が上がるとは限らないので、再度呼吸音を確認するなど全身状態の確認をしてみます。(トトロさん)
  2. 原因は1つとは限りません・・・。すべて当てはまりますがアセスメントして対処しないと。(ゲンキの姉さんさん)
  3. 吸引は侵襲度が高いので続けては行わない。痰がたまっているのか、ほかに異常がないかをアセスメントする。(未設定さん)
  4. 吸引後ということから痰がまだ残っているのかそうでないのかをまず確認し、肺音に異常がなければ人を呼びます。(あっこさん)
  5. SpO2が上がらない理由を知らないと対応できないため。(ゆかちんさん)
  6. 吸引後の呼吸音の改善の有無を確認し、有効な吸引であったか確認する。(あんさん)
  7. SpO2の低下具合にもよりますが…。吸引が不十分な場合も考慮し、まず患者さん側の状態を確認します。それでも、spO2が上がらない場合はすぐに人を呼び、医師に連絡します。(匿名さん)

人工呼吸器の回路を確認する

  1. 人工呼吸器がきちんと装着できているか、回路の接続に問題がないかをまず確認する。(宮さんさん)
  2. まず、正常に作動しているか確認する。(ボーさん)
  3. ケアの手順として接続し直したり何か行った際は何もなくてもチェッ クするものだから。それからほかを考える。(kaokaoさん)
  4. とりあえず人工呼吸器の接続不良等のチェックをする。その後に呼吸音などのアセスメントかな。もし重大なことになった場合に、機器の接続不良などの事故の場合で は過失割合が高いが、患者の疾患によるものであれば過失は低いと考 えるから。(未設定さん)

引き続き、みなさんのアセスメントの結果を紹介していきます。

用手換気に切り替えてすぐに人を呼ぶ

  1. 観察は、多くの人の目で、互いに観察ポイントやアセスメントを確認しながら行うことにより、見落としを無くし、異常の早期発見、迅速な対応に繋がると考えます。(無設定さん)
  2. 回答に困りました。表情を見ながら、用手換気、回路確認、人を呼ぶ …、かな。(ゴローさん)
  3. 患者側の問題なのか、レスピレーターの問題なのか、考えている間に呼吸状態が更に悪化する恐れがあるため。(yurikoさん)
  4. まず、人手を集めるのが先決。(エリカ2013さん)

再度、吸引を行う

  1. 痰づまりが取り切れてないかもしれないから、再度吸引し、確認する(コウチャマンさん)
  2. 貯留音が改善するくらいまでは吸引で様子を見る。(bluck pinokoさん)

そのままベッドサイドで様子を見る

  1. ベッドサイドを離れてしまうと、患者さんが急変すると困るから。(なおぶちさん)

その他

  1. 上がらないSpo2の数値によって判断が変わるのでこの設問では回答が出せない。回路確認など物理的に確認する時間をかけることがその数値で可能かどうか。その数値が正しいのかどうかにもよる。その確認もするべきだし・・ ・。(古狸さん)
  2. 座位や半座位にする。そうすることで、横隔膜を下げ、腹部の内臓がその重量で、下方向へと下がるため、横隔膜への圧迫が減少して呼吸がしやすくなるため。(ゆきんこさん)
  3. しばらく様子見て、上がらなければ再度吸引。機械チェック。駄目なら、人呼んでいっしょに見てもらう。(なかさん)
  4. 患者さんの呼吸状態や様子を観察し、人工呼吸器の回路だけでなく、 酸素濃度や機器の状態もチェックする。呼吸音の聴診も行い、ベッドアップや体位ドレナージが可能であれば行い、再度観察する。改善なければ、医師に報告。(1さん)
  5. 自分の行ったこと、状況をリーダーに報告して判断を仰ぐ。なぜなら、経験が少ないので自己判断でいろいろするのは心配だから。(genkiさん)
  6. 呼吸器の回路や四肢冷感、呼吸音異常の有無などの確認してから、リーダーに報告し、医師にコールします。(ペコちゃんゆりさん)

みなさん、少ない情報からよくアセスメントをしてくれています。今回紹介した事例では、詳しいSpO2の数値などが出ていません。この事例の続きを見てみましょう。


事例つづき
この患者さんの普段のSpO2は90%後半を維持していますが、吸引後は88〜89%まで低下していました。私が実際に遭遇するのは初めてでしたが、吸引するとSpO2が下がったという話を以前、聞いたことがありました。


事例つづきを読んで、あなたのアセスメントはどう変わりましたか? 次ページは、このつづきを読んだみなさんがどうアセスメントしたかを紹介します。

もっとみなさんのコメントを読みたい人はこちらから

公開カンファランスはナース専科マガジンでも連載中です。


事例

重症心身障害者の患者さんで、呼吸不全により気管切開し、人工呼吸管理を導入していました。

ある日、訪室するとぜろつき(痰がからんだような音)が認められ、分泌物が溜まっていると判断して吸引を実施。吸引後、人工呼吸器に接続してもSpO2が上がりませんでした。

この患者さんの普段のSpO2は90%後半を維持していますが、吸引後は88〜89%まで低下していました。

私が実際に遭遇するのは初めてでしたが、吸引するとSpO2が下がったという話を以前、聞いたことがありました。

→SpO2が上がらない患者さん、あなたならどうする?


まずは、事例のつづきを読んでアセスメントが変わったかどうかを聞きました。

今回のアンケート実施期間は、2014年4月14日〜21日で、588人が回答してくれました。

アンケート集計結果グラフ②

選択肢の違いは想定している緊急度の違い

変わったという人は、それほど多くないですね。

緊急度がどれくらいと捉えているかで、選ぶ選択肢が違ってきます。6つの選択肢の中で一番緊急度が高いときの行動が「用手換気に切り替えてすぐに人を呼ぶ」です。

次が「どこかに以上がないか呼吸音を聞くなどアセスメントする」「人工呼吸器の回路を確認する」になります。この2つを選んだ人は、アセスメントや回路の確認をする余裕がある状況と考えたのでしょう。

その次が「そのままベッドサイドで様子を見る」ですが、様子を見る=観察するとも言えますので、アセスメントするというのと同じことと考えることもできます。

では、みなさんは事例のつづきを読んで、どの選択肢を選んだのかを見ていきましょう。

アンケート集計結果グラフ③


結果を見ると、選択したものにばらつきはありますが、事例のつづきでSpO2の値がわかったことで、みなさんが想定する緊急度のばらつきがなくなり、ほぼ同じ緊急度を想定してアセスメントしていると考えられます。

そして、結果からほとんどの人が緊急度は高くない、ととらえていることもわかります。

では、みなさんはどうアセスメントしたのでしょうか。次回は、みなさんがどうアセスメントしたのか、コメントを紹介します。

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