1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 採血
  5. 【採血・注射】血管が逃げる・動くときに使える2つのテクニック

【連載】こんなときどうする? 採血・注射・輸液の困難ケース攻略法

【採血・注射】血管が逃げる・動くときに使える2つのテクニック

  • 公開日: 2015/2/24
  • 更新日: 2025/7/7

攻略法1:血管の脇から穿刺する

 太くてしっかりと浮き出て穿刺しやすそうな血管なのに、針を刺そうとするとプリンッと横に逃げてしまうことがあります。その原因の1つとして、筋肉量が減少し、脂肪や軟部組織と一緒に血管が動きやすくなることが考えられます。このような場合、皮膚ごと血管を押さえ、まっすぐ手前に引っ張りながら血管の脇から刺すことがコツです(図1)。引っ張り過ぎると血管が見えなくなるので、適度な力で引っ張ります。

図1 逃げやすい血管への穿刺

逃げやすい血管への穿刺

攻略法2:針先だけ血管に入れる

 高齢者の場合は、血管が逃げやすいだけでなく蛇行していることが多く、皮下脂肪も薄く血管がもろくなっています。長い針では血管を突き抜けてしまう危険性もあり、手前から穿刺して針の先だけが血管に入るようにします。蛇行している場合は、血管を押さえながら引っ張り、手前から浅めに刺すようにしましょう(図2)。採血中に血管を押さえている手を緩めると、針が抜けて採血できなくなる場合があるので注意が必要です。

図2 蛇行した血管への穿刺
蛇行した血管への穿刺

表1 穿刺に適した部位、穿刺を避けるべき部位
疾患などの状況に応じて、患側への穿刺は避ける 蛇行している血管や関節付近は避ける
利き手側への穿刺はできる限り避ける 静脈炎や血栓症の危険性が高いため、下肢静脈はできる限り避ける
できる限り太く、弾力のある血管を選択する 神経損傷、動脈損傷の危険性が高い部位は避ける
針の固定が容易な部位を選択する 何回か続けて実施する場合は、静脈の末梢側から穿刺するよう部位を選択する
全国訪問看護事業協会・日本訪問看護振興財団「訪問看護における静脈注射実施に関するガイドライン」(2025年5月30日閲覧)https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/guide03.pdf.より作成

参考文献

全国訪問看護事業協会・日本訪問看護振興財団「訪問看護における静脈注射実施に関するガイドライン」(2025年5月30日閲覧)https://www.zenhokan.or.jp/wp-content/uploads/guide03.pdf

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

穿刺を嫌がる患者さん、どう対応する?

攻略法1:患者さんには手技の説明をしっかりとする  針を扱う行為は危険を伴うため、治療への理解と協力を求めて安全に行うように心がけます。子どもの発達度や理解度、認知症患者さんの理解度に応じて、わかりやすい言葉で説明することが必要です。このときに「痛くないよ」と不安を軽減させ

2025/8/1