採血スピッツ(採血管)の種類・順番・量~血液が足りなくなりそう!どうする?
- 公開日: 2015/2/23
多くの看護師が苦手な「針モノ」の手技。今回は主なスピッツの内容と必要量を紹介します。
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攻略法1 検査に必要な血液量を把握する
血液が不足しないように複数のスピッツに入れるためには、
-
・検査項目と各スピッツの必要量を事前に把握すること
・患者さんごとに必要な検査の優先順位を理解しておくこと
が大切です。
特に、抗凝固剤入りスピッツは、血液と抗凝固剤との比率が決まっているため、必要量のラインまで必ず血液を満たして適量を厳守しましょう。
また、必要量が決まっているスピッツを後回しにすると、血液が不足して検査できなくなることがあるので注意しましょう。
その他、主なスピッツの内容と必要量は下表の通りです。
■主な採血管の必要量(表)
■主な採血管の検査内容(表)
表 主な採血管の検査内容
攻略法2 スピッツに入れる順番を覚えておく
針を刺入した直後の血液には、微量の組織液が含まれているので凝固の原因になります。そのため、真空管採血のときは、凝固しても影響の少ない生化学(血清)を最初に採血します。
シリンジを使って分注する際は、凝固する前にすばやく抗凝固剤と混和させる必要があるため、抗凝固剤入りスピッツから先に入れるようにします。
採血管の順番とキャップの色
真空管採血の場合
-
・生化学(血清):茶
・凝固(クエン酸Na入り):黒
・血算(EDTA入り):紫
・血糖(フッ化Na):灰
・その他の検査
シリンジ採血の場合
-
・凝固(クエン酸Na入り):黒
・血算(EDTA入り):紫
・生化学(血清):茶
・その他の検査
※キャップの色や順番は施設によって異なる場合があります
『ナース専科マガジン2013年4月号』より改変利用
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