1. トップ
  2. 看護記事
  3. 医療・看護技術から探す
  4. 検査値
  5. 虚血性心疾患(心筋梗塞と狭心症)を判断するための検査データは?

【連載】検査値Q/A

虚血性心疾患(心筋梗塞と狭心症)を判断するための検査データは?

  • 公開日: 2016/2/1
  • 更新日: 2020/10/21

検査値をみるときに真っ先に注目するのが「異常値」。症状の鑑別に必要な検査値について、よくある質問に答えます。


Q 虚血性心疾患かどうかを判断するための検査データは?

A 「逸脱酵素」に注目します

心筋への血流が阻害されて起こる虚血性心疾患には狭心症と心筋梗塞があり、いずれも致死的なリスクが高く迅速な対応が必要です。心筋の状態を示す代表的な検査値としては、

(1)クレアチニンキナーゼ(CK)
(2)クレアチンキナーゼ心筋型アイソザイム(CK-MB)
(3)トロポニンT
(4)AST(GOT)
(5)LD(LDH)

などが挙げられます。

(1)(2)心筋マーカー(CK、CK-MB)

CKとCK-MBは、心筋マーカーと呼ばれる筋組織が壊死すると血中に逸脱する酵素で、心筋について特徴的に現れるものです。これが高値を示す場合には心筋が傷害されていると考えられるので、心筋梗塞の発症や経過を判断するために役立ちます。

CK

筋細胞に多く含まれる酵素です。MM(骨格筋型)、BB(脳型)、MB(心筋型)という3つのアイソザム(同一の反応を触媒する分子構造の異なる酵素群)があります。

CK-MB

心筋に多くみられるCK-MBは、代表的な心筋マーカーとして心筋梗塞の診断に広く用いられています。

【関連記事】
* 心筋梗塞の血液検査|鑑別に用いる4つの心筋マーカー(CKなど)

(3)トロポニンT

心筋細胞に特徴的に存在する収縮蛋白で、ほかの心筋マーカーよりも特異性が高いため、早期心筋傷害が疑われるケースでは第一選択として用いられることが多くなっています。

(4)(5)AST、LD

逸脱酵素で、心筋の傷害により上昇します。ただし、心筋に限って反応するものではありません。

ASTは代表的なアミノ酸転移酵素で、心筋や肝臓、骨格筋、腎臓などに、乳酸脱水素酵素であるLDは、心筋や肝臓、肺、腎臓、骨格筋、血球などに含まれ、いずれも存在する臓器の細胞が傷害されると高値を示します

ですから、これの数値のみで心筋梗塞か否かを判断することは難しいのですが、いくつかのデータと組み合わせることによって、心筋梗塞の可能性を疑うきっかけにできます。

心筋梗塞が疑われる場合

自覚症状や身体所見などから心筋梗塞が疑われる場合は、基本的検査として、

  1. 心電図
  2. 血液検査(WBC、RBC、Hb、Ht、Plt)
  3. 生化学検査(AST、ALT[GPT]、LD、CK、CRP)
  4. 胸部X線検査
  5. 心筋マーカー

を実施します。

これらの検査結果で心筋梗塞が疑われる場合は、心エコー検査や冠動脈CT検査を行います。

さらに、心エコー・CT検査で心筋梗塞の疑いが強くなれば、治療もかねて心血管造影検査を行います。

この検索値を攻略イラスト

MEMO 心エコー検査を有効に使う

心エコーで心臓の壁運動の低下を調べることでも、心筋梗塞を早期に診断することができます。梗塞している場所や範囲がわかるほか、心筋マーカーに異常がなくても、壁運動低下があれば、虚血→壊死のリスクを想定することができます。

(『ナース専科マガジン』2013年8月号から改変利用)