術前のオリエンテーションの目的・実施内容
- 公開日: 2014/7/11
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術前・術後の看護(検査・リハビリテーション・合併症予防など)
1. 術前のオリエンテーションの実施目的
全身麻酔での手術を予定している患者さんを対象に、おもに療養経過や手術に関する情報を提供するオリエンテーションですが、その目的の一つは術後の合併症予防にあります。
術後は疼痛によって腹式呼吸が抑制されるため、深呼吸が困難になり、末梢気道が閉塞、肺胞が虚脱して無気肺や肺炎を引き起こす可能性があります。その予防のために、術前に呼吸訓練や痰の出し方などを説明し、理解してもらうようにします。
特に肺など呼吸器の手術、食道手術の患者さんはそのリスクが高いので、入院する前から予防的リハビリを行うことは重要です。
また、手術を受ける患者さんは、多かれ少なかれ誰もが不安をもっています。きちんとした情報提供を行うことで、その不安を軽減することも、オリエンテーションの大切な目的です。
一般的に、入院後に行われる術前オリエンテーションは手術室の看護師が行うことが多いようですが、当院では「手術前準備の会」として、呼吸器病棟の師長または看護師が入院前に外来で行っています。
2. 実施内容
1. 禁煙
まずは禁煙です。喫煙による肺・気管支機能の低下により、術後に痰の量が増加することがあります。肺機能を維持し、痰の量を少なくするためにも、喫煙習慣のある人には必ず禁煙してもらいます。