加齢が摂食・嚥下にもたらす「4つの悪影響」
- 公開日: 2014/7/14
治療をスムーズに進めるため、あるいは安全・安楽に支援するために、高齢者特有の症状や機能低下について解説します。今回は、「加齢がもたらす悪影響」です。
影響1 嚥下筋の筋力が低下する
→嚥下障害(むせ・誤嚥)/誤嚥性肺炎
嚥下では、口腔期、咽頭期、食道期の過程で、食塊を胃まで送るために、さまざまな器官と筋肉が使われています。使用される筋肉の数は約30~40といわれています。そのため、筋力が低下すると、嚥下がうまくいかなくなり、むせや誤嚥が生じます。
気管に誤嚥された食物や水分、唾液などは、通常であれば咳嗽反射によって排出されますが、咽頭・声門部分の知覚低下や気管の防御機能の低下によって、排出できずにそのまま残ることがあります。
一方、高齢者は免疫力も低下しており、食物や唾液に含まれた細菌に感染し、肺炎を起こしやすくなっています。これらの機能と抵抗力の低下によって、誤嚥性肺炎が引き起こされます。胃や食道からの逆流によって、胃の内容物を誤嚥することでも起こります。
摂食・嚥下の過程
影響2 歯を失う
→咀嚼力低下/摂食量低下/口内環境の悪化
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