1. トップ
  2. 看護記事
  3. 診療科から探す
  4. 呼吸器科
  5. 呼吸器疾患
  6. 気胸
  7. 【気胸の看護】ドレーン管理(3)「全身状態」をみる

【連載】ドレーンの排液のアセスメント

【気胸の看護】ドレーン管理(3)「全身状態」をみる

  • 公開日: 2015/12/16
  • 更新日: 2021/1/6

関連記事
【気胸の看護】 原因とメカニズム
【気胸の看護】ドレーン管理(1)「エアリーク」をみる
【気胸の看護】ドレーン管理(2)「呼吸性移動」を見る

ポイント3 全身状態をみる

① 呼吸状態

胸腔ドレナージの場合、まずは呼吸状態をみていきます。呼吸数や呼吸音、呼吸の深さ、リズム、呼吸困難の有無などから呼吸が安定しているかどうかをみます。左右差の確認も忘れないようにします。

また、気胸によって減弱・消失していた呼吸音にどのような変化がみられるか、肺の音を聴診して確認していくことも大切です。

② バイタルサイン

体温、血圧、脈拍、酸素飽和度(SpO2)に変化、異常がないかをみます。採血データがあれば、白血球数(WBC)、赤血球数(RBC)、アルブミン値などもチェックしておきます。

③ 痛み

刺入部の直接的な痛みだけでなく、固定によって生じる痛み、ドレナージで体動を制限されることによる身体的痛みなどがあります。

痛みは患者さんにとって大きなストレスで、治療にも影響を及ぼします。患者さんの訴えや表情、動作などから、痛みの有無や程度、痛みの質などを確認します。痛みが突然強くなったなど大きな変化があった場合は、特に注意が必要です。

また、すでに鎮痛薬を使用しているときは、その効果についてもアセスメントします。

④ 感染徴候

発熱や炎症反応の上昇、刺入部の発赤、熱感、腫脹などが感染徴候です。胸腔ドレナージは、胸腔内と外界を交通させることになるため、細菌が入り込む逆行性感染が起こる恐れがあります。浸出液も感染の原因になります。

ドレーン抜去のタイミング

脱気目的の場合は、エアリークの消失と呼吸性移動の減少が一つの目安になります。これらから気胸が改善されたと推察できたら、ドレーンをクランプした後、胸部レントゲンによって肺虚脱の有無を確認し、虚脱がなければ抜去します。

(『ナース専科マガジン』2013年4月号から改変利用)

この記事を読んでいる人におすすめ

カテゴリの新着記事

胸腔ドレーンの管理に関する看護計画|気胸の患者さん

気胸で胸腔ドレーンが挿入されている患者さんに関する看護計画  気胸は、何らかの要因で生じた臓側胸膜の穴から、胸腔内に空気が流入して貯留した状態です。胸腔内に空気が流入し続けると肺の拡張が障害され呼吸困難が生じるため、必要に応じて胸腔ドレーンを挿入して胸腔内の空気を排出させる

2025/7/26