第7回<読み方・対応編⑤>発作性上室頻拍 (PSVT)
- 公開日: 2017/1/31
関連記事
不整脈の看護|検査・治療・看護のポイント
発作性上室頻拍(PSVT)は、症状の発生も収束も突然で、規則正しい頻脈(心拍数150~250回/分)であることが特徴です。心電図波形上も“突然起こり、突然終了する”一過性の波形が出現します。
ちなみに、上室とは心室よりも上部(心房や房室結節部)で起こることをいいます。
(1)心電図波形の特徴
PSVTは正確には発生機序により、大きく5つに分類されています。
・異所性自動能亢進による心房頻拍
・房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)
・房室リエントリー性頻拍(AVRT)
・心房内リエントリー性頻拍
・洞結節リエントリー性頻拍
圧倒的に発生頻度が高いのは、房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)と房室リエントリー性頻拍(AVRT)で、なんとPSVTの約90%を占めています。ですから、AVNRTとAVRTをしっかりと理解しておく必要があります。
下記にAVNRT(図1)とAVRT(図2)の波形の例を示します。
図1 房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)の波形
図2 房室リエントリー性頻拍(AVRT)の波形
上の2つの心電図をみて、みなさんはどう思いますか?一瞬、洞性頻脈? と勘違いしてしまいそうになりませんか?