ペースメーカー植え込み術を行った患者さんに関する看護計画
- 公開日: 2025/3/31
房室ブロックでペースメーカー植え込み術を行った患者さんに関する看護計画
房室ブロックとは、洞房結節で生じた刺激が刺激伝導系を通って心房から心室へと伝わる際に、房室結節で伝導遅延が生じたり、伝導が途切れることで起こる不整脈です。刺激の伝わり方に応じて1度、2度、3度に分けられ、場合によってはペースメーカーが必要になり生活スタイルに合わせて退院後の生活指導を行なっていきます。今回は房室ブロックでペースメーカーの植え込みを行った患者さんに関する看護計画を立案しました。
観察計画 O-P 術前にあった胸部症状(胸痛や胸部不快感など)がなくなったか、まだ続いているかを確認する。そのほか、身体症状についても把握しておく。さらに、心電図の所見や検査値データも引き続き見ておく。日常生活への影響なども確認しておく。
援助計画 T-P ペースメーカーの動作を継続的に確認する。患者さんの状態に応じて、過ごしやすいように環境を整える。
教育計画 E-P ペースメーカーの仕組みなどについて、改めて説明する。房室ブロックについても解説し、不安なことがあれば、いつでも話してくれるように伝える。
*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。
■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2
看護問題
徐脈による胸部症状で生活に支障が出ている
看護目標
症状が発症することなく生活することができる
観察計画 O-P
胸部症状の有無、程度
随伴症状の有無、程度
モニター心電図、12誘導心電図の波形
内服状況
体重の推移、In-Outバランス
食事摂取状況
排泄状況
睡眠状況
検査データ(BNP、トロポニン、電解質など)
画像データ(心エコー、胸部レントゲンなど)
援助計画 T-P
モニター心電図の波形を継時的に観察する
適宜、多職種と協働してペースメーカーの動作を確認する
自覚症状やADLに応じた療養環境を整える
医師の指示に基づく薬剤投与、酸素投与を行う
教育計画 E-P
必要に応じてペースメーカーの仕組みを説明する
房室ブロックや関連する症状について説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する
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