CO2ナルコーシスを生じさせない! 見逃さない! 5つのポイント
- 公開日: 2016/11/20
まずはCO2ナルコーシスに陥らないようにケアすることが重要ですが、もし生じてしまった場合、その徴候をいち早く察知し、対処しなければなりません。ここでは、看護師が行うべき観察やケアについて解説します。
関連記事
* CO2ナルコーシスとは? 原因について知ろう!
1 呼吸回数・呼吸パターンが重要
呼吸が抑制されると呼吸回数が減弱していくため、呼吸回数は重要な観察ポイントです。呼吸数の減弱がみられたら、意識レベル、Sp02の値を確認しましょう。観察した所見の経時的な変化を見て判断していくことが重要です。
また、感染症などでCOPDが悪化した患者さんは、病態の改善に伴い呼吸が正常な状態に戻っていきます。すると、同じ流量の酸素を投与していたとしても、酸素をより多く取り込むことができるようになります。病態が改善してきている時期も注意が必要であり、病態に対して必要以上の酸素が投与されてしまう危険性があるため、Sp02の値を確認し値が高くなりすぎるまえに酸素流量を調整します。
この記事を読んでいる人におすすめ
【呼吸生理学1】肺胞での酸素と二酸化炭素の受け渡しのメカニズム
ここでは、酸素療法のアセスメントに必要な呼吸生理学について解説していきます。今回は、肺胞気と肺胞毛細血管の間のガス交換について取り上げます。 呼吸のキホン 吸気は上気道(鼻から咽頭)を通りぬけると声門を過ぎて下気道(気管)に入ります。気管を下って気
【呼吸生理学2】ガス交換のできない肺胞があるとどうなる?
ガス交換のできない肺胞が低酸素を招く 酸素が届かない肺胞があると全体の酸素分圧にも影響する 一部の気管支に喀痰が詰まったり、細気管支や肺胞に分泌物や喀痰が貯まって閉塞が起こると、その部分の肺胞には吸気が届かないので酸素がない状態になります。 酸素があ
冬の増悪が多い! 非アトピー型の気管支喘息
気管支喘息はこんな疾患 ●慢性の気道炎症や気道過敏性の亢進によって、気道が狭窄・閉塞を起こしている状態。 ●主症状は咳、喘鳴、呼吸困難などで、発作性で反復することが特徴の慢性疾患。 ●発作強度には、症状が軽度の小発作、中等度の中発作、高度の大発作、エマージェンシ
【呼吸ケア・看護まとめ】呼吸の検査、評価・観察項目など
呼吸ケアとは 呼吸ケアとは、人工呼吸器装着患者さんのケア、吸引、体位ドレナージなど多岐にわたります。また、呼吸ケアを行うにあたっては、血液ガスデータをみたり、呼吸音を聴診したりとさまざまな技術や知識が必要となります。 普段から何気なく行っている呼吸ケアですが、
第15回 SpO2が70%台になってしまった患者さん(その1)
今回はSpO2が下がった患者さん。酸素を上げるべきか、ほかのことをするべきか、みなさんにアセスメントしてもらいました。 今回の事例 [さくらさん から提供された事例] 慢性心不全の患者さんが肺炎を併発し、入院してきた83歳の患者さん。入院時より経鼻カ