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【連載】症例ごとに看護計画を紹介!

低酸素血症が生じている患者さんに対する看護計画|心不全で肺水腫を発症している患者さん

  • 公開日: 2024/1/28

心不全による肺水腫で低酸素血症を生じている患者さんに対する看護計画

 心不全とは心臓に何らかの異常が生じて心臓のポンプ機能が破綻した状態です。それによって肺の毛細血管の圧力が上昇し、肺内に水分が漏出し肺水腫になったり、体液量が過剰になり浮腫などが生じたりします。今回は心不全による肺水腫で低酸素血症を生じている患者さんに関する看護計画を立案しました。

POINT

観察計画 O-P 低酸素血症が生じていることから呼吸困難感があると考えられるため、確認する。肺水腫により低酸素血症が生じているが、肺水腫の治療は原疾患である心不全の治療または、悪化させないようにしなければならないため、心不全の状態を把握する。

援助計画 T-P 肺水腫を改善するために利尿薬が投与されるため、In-Outバランスに注意しながら、ケアを行う。低酸素血症があるため、酸素投与を行うが、酸素化が改善されているかどうかだけでなく、患者さんの呼吸が楽になっているかといったことにも注意する。患者さんが安楽に過ごせるように環境を整える。浮腫がある場合は、皮膚の清潔・保湿・保護を行う。

教育計画 E-P 心不全が悪化しないよう日常生活で気をつけることなどを指導する。不安な気持ち等があれば、いつでも話してくれるように伝える。

*紹介する看護計画はあくまでも例です。この例を参考に患者さんに合わせた看護計画を作成してください。

■看護計画の書き方はこちら
看護問題リスト・看護計画の書き方|看護記録書き方のポイント2

看護問題

肺水腫によって低酸素血症が生じている

看護目標

症状が増悪することなく生活することができる

観察計画 O-P

呼吸困難感の有無、程度
自覚症状の有無、程度
心拍出量低下に伴う症状の有無、程度
現在の生活に対する認識、理解(水分制限、塩分制限など)
リスク因子に対する認識、理解
尿量や体重の推移
In-Outバランス
薬の内服、管理状況
食事摂取状況
排泄状況
睡眠状況
検査データ(Alb、TP、BNPなど)
画像データ(胸部レントゲン、心エコー、胸部CTなど)

援助計画 T-P

医師の指示に基づく薬剤の使用
適宜、医師の指示に基づく酸素投与を検討する
安静度や自覚症状に合わせてADLの介助を検討する
皮膚の清潔、保湿を保つ
状況に応じて、必要な治療や日常生活の制限に対して理解を促す

教育計画 E-P

心不全の増悪因子と生活の関連について説明する
つらい気持ちは我慢せず伝えてもらうように説明する
疑問や不安などはいつでも伝えてもらうように説明する

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